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熱中症の初期症状の"こむら返り" 睡眠中・運動中に足がつったときの対処法を足の専門医に聞く【MBSお天気通信】

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 8月も下旬になりましたが、まだまだ厳しい残暑が続いているところが多く、近畿の猛暑日は20日現在で、大阪では今年28回目、兵庫県淡路市の郡家では31日連続となったなど、今年の夏は厳しい暑さとなっています。福岡県の太宰府では33日連続で最高気温が35℃以上の猛暑日となり、日本国内の最長記録を更新中です(8月20日時点)。 18日に気象庁は高温に関する全般気象情報を発表し、東日本では22日にかけて、西日本では24日にかけて、沖縄・奄美では25日にかけて、気温の高い状態が続くとして、熱中症など健康管理に注意を呼び掛けています。まだしばらく昼夜問わず熱中症対策が必要な時期です。そこで、熱中症の初期症状でもある“こむら返り”の対処法について、足の専門医に伺いました。(気象予報士・薬剤師 林保捺美)

寝ている時、運動している時によく足をつる 熱中症の初期症状の可能性も

 夜中に足がつって眠れない、運動をしている時に足がつり動けなくなるなど、急に襲われるふくらはぎの激しい痛み“こむら返り”。ふくらはぎだけでなく、足の裏や太ももなどで起こることがあり、症状は数分以内に治まることがほとんどです。厳しい暑さが続くこの時期は、こむら返りが起こりやすい時期でもあります。夏のこむら返りの主な原因は脱水、冷房による冷え、日中のむくみです。こむら返りの対処法を足の専門医である下北沢病院の菊池守先生に伺いました。

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 夏場は運動中に大量に汗をかいたり、就寝中も気づかないうちに「脱水」状態になっていたりする恐れがあります。対策としてこまめな水分補給は大切ですが、水分だけでなく塩分も補給するようにしてください。水分だけをとると、かえって体内の電解質のバランスが崩れてしまいます。電解質なども補給できる経口補水液やスポーツドリンク、麦茶をとることがオススメです。また筋肉の弛緩に関わるマグネシウムが不足することもこむら返りの要因になるといいます。1日3食バランスのとれた食事をしっかりとることで補えるそうです。アルコールは適度にとる分には問題ありませんが、過剰に摂取すると脱水症状が出るおそれがあるため注意が必要です。

 また「日中の足のむくみ」もこむら返りの原因になるといい、長時間の立ち仕事やデスクワークの方も注意が必要です。日中は長時間同じ姿勢にならないように、30分に1回は立ったり座ったりして体を動かすようにしてください。

 昼夜問わず、冷房が欠かせないこの時期、「冷房による冷え」にも気を付ける必要があるといいます。足が冷えてしまうと、足の筋肉が硬くなり収縮しやすくなります。そのため、冷房をかけて就寝する時は、足を布団にかけて、足を冷やさないように注意してください。

こむら返りの予防には、日々のストレッチやマッサージを行うことが大切

 オススメのストレッチの方法を4つご紹介します。
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・こむら返りになった時の応急処置に

 こむら返りになった際は、落ち着いて膝裏をゆっくり伸ばすことが大切です。息を吐きながら、足先を手前に引っ張り、ふくらはぎを伸ばします。手がつま先に届かない場合は、つま先にタオルをかけて行ってください。


・こむら返りの予防にストレッチを「アキレス腱伸ばし」

 壁を使ってアキレス腱を伸ばします。後ろの足のかかとをつけたまま、体重を前にかけてください。毎日のストレッチがこむら返りの予防につながります。

・「波止場のポーズ」

 特にストレッチでオススメなのは、太ももとふくらはぎの筋肉を伸ばすことができる“波止場のポーズ”だといいます。このポーズのポイントは、前の脚に体重をかけること、かかとを上げないようにしてふくらはぎを伸ばすことです。長時間の立ち仕事などで筋肉が疲れた時や体が冷えて血行が悪くなっている時にも、意識的に取り入れましょう。

・寝る前に行いたい!睡眠中のこむら返りの予防に

 睡眠中に足をつることが多い人は、寝る前のむくみ対策が有効です。壁に脚を上げて休む、仰向けになり両足をぶらぶらさせる、ふくらはぎのマッサージを行うことを、5分ほど行うとよいとされています。お風呂上がりに行うのも効果的です。

 20日に気象庁が発表した3か月予報によりますと、気温は9月から10月にかけて全国的に平年より高い予想となっています。残暑は長引き、秋の訪れは遅い傾向になりそうです。9月になってもまだ熱中症に油断できない状況が続いてしまいそうです。夏の疲れがたまってきている頃ですが、規則正しい生活やストレッチを取り入れながら、残暑を乗り切りましょう。

2024年08月21日(水)現在の情報です

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