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「子どもがインフルなのに態度が横柄」患者が全く来ていない時期なのに...クチコミが医療機関も翻弄「無駄な検査や投薬が増える...」全国の医師などがグーグルに損害賠償を求め裁判へ

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 「なりすまし」に実業家らも怒りを露わにしています。そして飲食店を選ぶときにクチコミを調べる人は多いかもしれませんが、今回訴訟にまで発展するというのが『病院』に対するクチコミです。

堀江貴文さんと前澤友作さんが規制の必要性を訴え

 4月10日、SNS上の広告をめぐって、怒りを露わにしたのは実業家の堀江貴文さんと前澤友作さんです。

 (堀江貴文さん)「(偽広告を)削除しろ削除しろと1年以上言っている」
 (前澤友作さん)「日本は後手後手に回っているんじゃないかなと感じます」

 投資を呼びかける前澤さんのフェイク動画。SNSで掲載されている著名人の「なりすまし広告」を信じて、金を振り込むなどの被害が相次いでいることを受け、2人は、SNSの運営事業者に対して、厳しい規制が必要だと訴えました。

 (前澤友作さんのフェイク動画)「こんにちは、私ゼンザクユウサは日本人に高収入をもたらす新規の投資プロジェクトをご紹介したいと思います」

 そして4月16日、フェイスブック等を運営するアメリカのIT大手メタ社が、詐欺広告について「世界中の人々を標的とする社会全体の脅威だ」とする声明を発表。撲滅は必要不可欠とする一方、広告の数の多さなどを理由に「社会全体でのアプローチが必要だ」とも主張しました。

 これに対して前澤さんはXで「おいおい。まずは謝罪の一言は?社会全体のせい?」「なめてんの?」などと投稿。SNSの運営事業者側で「詐欺広告はすぐに判別できる」と不満を露わにしています。

医療機関もクチコミに憤り

 インスタグラムやフェイスブックを運営するメタや、検索エンジン最大手のグーグル。今や私たちの生活になくてはならない巨大プラットフォーム。その対応に翻弄されているのは著名人だけではありません。

 (ゆうき耳鼻咽喉科 結城和央院長)「こんなズルができてしまうシステムであることを、グーグルも認識していると思うんですけど、それに対する対策をとらないのは、やっぱりちょっと違うなと思うんです」

 大阪府茨木市にあるゆうき耳鼻咽喉科。院長の結城和央さんは、1年前にインターネット上のクチコミ欄に、こんな投稿を見つけました。
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 (グーグルマップより)「何が原因か不明でとにかく診断したい人は×。応対が雑。もう行かないです」

 この投稿主がつけた病院の評価は5段階評価で星1つ。掲載されているのは「グーグルマップ」のページです。グーグルマップには、地図上に表示される施設などのクチコミを書き込んだり、5段階評価を付けたりできる機能があります。このクチコミ機能について街で聞いてみると…?

 (街の人)「先生がこういう感じの人やとか、ナースの人がこういう人やったっていうのを見て、良さそうかな行こかなみたいな」
 (街の人)「点数を見てからコメントを見ます。でも病院は基本的に低いんで。クレームだらけですよ」

 実際に結城医師によると、インフルエンザの患者が全く来ていなかった時期に「子どもがインフルエンザなのに態度が横柄だった」などとする身に覚えの無い内容を書き込まれたこともあったといいます。さらに…。

 (結城院長)「(不本意な書き込みが)結構ありますね。例えば、風邪でかかられた患者さんが、抗生物質とか強い薬がほしいと言って来られることがあるんです。医学的に耐性菌の問題からよくないことなので『効かないから抗生物質は出せません』とお断りしているんです。中には納得されなくて『私だけ弱い薬で適当にあしらわれた』と思って、ここの病院は思うような治療をしてくれない、よその病院の方がいい、という感じで星1点をつけて悪いクチコミを書くとか、そういうのがうちでは一番多いですね」

 こうした書き込みに対してグーグルは、サイト内でクチコミを24時間体制で確認して、意図的な虚偽情報の投稿や中傷するような表現の使用など、ポリシーに違反するものは削除するなどの厳しい対応を取るとしています。

 しかし、結城院長がグーグルに対して事実と異なる内容だなどとして削除依頼をしても、返事は無かったといいます。

医師・歯科医ら約70人がGoogleに損害賠償求める裁判へ

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 グーグルはJNNの取材に対して「不正確な内容や誤解を招く内容を減らすよう努めてまいります」としていますが、結城院長と同様に不当なクチコミに頭を抱える全国の医師・歯科医ら約70人は、4月18日にグーグルに対して損害賠償を求める裁判を起こします。

 結城院長は、医療機関を評価するのは専門家でも難しく、今のままではクチコミの評価を鵜呑みにすることは患者にとっても不利益になると話します。
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 (結城院長)「医療機関を評価するということに関しては、無駄な検査が増えたり投薬が増えたりすることで医療費が上がったりとか、将来世代にツケをまわしていくことになります。医療機関は少なくともクチコミ対象から外すとか、評価を載せるか載せないかを医療機関が選択できるとか、そういうオプションを最低限つけてもらわないと。点数は医学的な正しさを保証するものではない、ということを皆さんが理解しているのであればいいのかなと」

2024年04月17日(水)現在の情報です

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