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『えー!って...』住宅関連で嘆き多数「3000万円の家が3600万円に」「マンション修繕積立金が足りない」「工務店の相談30%減」買う人・売る人・維持する人もつらい

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住宅価格の高騰はいつまで続くのでしょうか。嘆きの声が上がっています。

燃料費高騰や円安で資材価格も上昇…住宅に値上げの波

 大阪市鶴見区にある住宅展示場「花博記念公園ハウジングガーデン」。ファミリー層をターゲットに住宅メーカーのモデルハウス約30軒がずらりと並びます。

 (来場者)「今は全てが高騰しているでしょ。昔だったら2000万円で建てられる家が3000万円を超すだろうなと思っています」

 来場者の最大の関心事は住宅価格。今ここにも値上げの波が押し寄せています。
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 (大阪住宅センター 中村農夫参事)「住宅価格が上がっていると聞いていますし、高くなっているものだと5年前の1.5倍とか」

 大阪の建築資材の物価指数の推移では、2021年1月以降、今年9月までで平均で28%上昇しました。背景にあるのは燃料費高騰や円安による資材価格の上昇です。

戸建て建築も「価格が上がっていないものはない状態」

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 実際の建築現場を見せていただきました。大阪・海老江に住む津波美弥さん(53)一家。子どもや両親ら家族8人で住むため自宅を建て替え中で、もうすぐ引き渡しを控えています。

 (津波美弥さん)「キッチンとかに立ちながらでもみんなの様子が見られて、ワイワイ楽しくできる空間であったらなと思っています」

 対面式のシステムキッチンや、奈良・吉野産の木材をふんだんに使った開放感あふれるリビング。家族一同、完成を今か今かと待ち望んでいますが…。

 (津波美弥さん)「(Q価格を聞いたときは?)もちろん高いなと思いました。えー!って」

 津波さんの新居は木造2階建ての4LDK(延床面積141平方メートル)。コロナ前なら約3000万円だった価格が、約3600万円まで値上がりしているといいます(解体費などを除く)。

 (藤見工務店 藤見真人社長)「もうほぼ全部上がってしまっているので、見渡しても上がっていないものはない状態ですね」
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 ユニットバスは60万円から80万円に。自慢の対面キッチンも100万円から130万円に値上がりしています。

 (藤見工務店 藤見真人社長)「特に大きく上がったのが、元々壁の下地材の石膏ボード。こちらはコロナ前の約2倍」
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 こちらの工務店では、吉野産の木材を製材所から直接仕入れて加工することでコストダウンを図っていますが、今は家を建てる人の数も減っているといいます。

 (藤見工務店 藤見真人社長)「コロナ前の30%ダウンぐらいの相談率になっています。すぐに契約に至らず、少し待って考えておられるっていう状態になっていますね」

「マンションの修繕積立金が足りない…という相談がくる」

 建築資材高騰の余波はマンションでも。

 (スマート修繕 別所毅謙さん)「こちらのマンションですね。築年数で言うと13年ほどのマンションなりまして。今貯めている修繕積立金が、出てきている見積りに対して足りないというご相談がきました」

 兵庫県西宮市にある分譲マンションは、来年に大型修繕工事を予定していて、修繕工事のサポートを行う会社に相談がありました。

 (スマート修繕 別所毅謙さん)「ひび割れが入っていますよ、と。これは水が入ったあとも見られますので、ちゃんと治しておかないと躯体の中の鉄筋に影響を及ぼすので構造が弱くなってしまう」

 廊下の階段には経年劣化によるひび割れが。さらに屋上でも…。

 (スマート修繕 別所毅謙さん)「タイルは、通常ちゃんと付いているとこういう音がします。これに対して木琴みたいな音がしています。こういうところはタイルがちゃんとコンクリートにくっついていない。こういうところは治していかないと、割れてしまったり剥がれたりしてしまう。漏水の原因、水が入ってきてしまう」

 今回は建物の構造に関わる緊急性の高い修繕のみに留めることで、修繕積立金を引き上げずに済みました。しかしながら、修繕費高騰による相談は今年に入って増えているといいます。

 (スマート修繕 別所毅謙さん)「修繕積立金が足りないというのは非常に多いです。背景でいうと、建築費が高騰していますので、コロナ前と後で3割くらい。今の金額が正しいのか、本当に工事が必要なところはどこなのか、そういうところを比較して見ていただく」

 資材高騰による影響はもうしばらく続きそうです。

2023年11月09日(木)現在の情報です

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