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阪神の元ピッチャーが営む飲食店...「必死のパッチで店に来た!」CSをテレビ観戦する阪神ファンたちで大盛り上がり 期待するのは『オリックスとの関西ダービー』

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 セ・リーグ優勝を果たし、クライマックスシリーズでも勢いに乗る阪神タイガース。今回、ミスタータイガース・掛布雅之さんと同期入団した元ピッチャーの男性が営む飲食店を取材。10月18日に行われた阪神タイガース対広島東洋カープの試合を店内で観戦するファンらの様子を定点観測しました。

掛布雅之さんと同期入団の中谷賢平さん 岡田彰布監督とはゴルフ仲間

 18年ぶりにセ・リーグ優勝を果たした阪神タイガース。大阪・ミナミの戎橋には、大勢の人が詰めかけ、阪神ファンが集まる飲食店も歓喜に沸きました。

 そして10月18日に始まったクライマックスファイナルステージ。優勝の時に大盛り上がりだった店を、今回も取材させていただきました。

 午後4時、自転車に乗ってやってきたのは兵庫県西宮市にある「KENPEI」のオーナー・中谷賢平さん(68)です。試合開始の午後6時までにオープンするため準備を進めます。

 (中谷賢平さん)「(Qきょう初戦楽しみですね?)勝ってほしいね。楽やん、きょう勝ったら。あと負けられるやん」
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 阪神の勝利を願う中谷さん。実は阪神の元ピッチャーで、仲間からは「賢平さん」と呼ばれています。1973年に入団テストを受けて合格。ドラフト外で阪神タイガースに入りました。しかし、故障などに悩まされ続け、プロ生活は5年で終わります。その後は会社員などを経て、36年前にこの店をオープン。
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 賢平さんの同期には「ミスタータイガース」と呼ばれた掛布雅之さんがいて、現役時代から仲がよく、いまも交流があるといいます。
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 (中谷賢平さん)「(Qこの写真は?)(掛布さんと)ハワイ旅行のときの写真。20歳。貯金してハワイに行こうってなったんや、2人で」
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 後輩にあたる岡田彰布監督ともゴルフ仲間で40年来の友人。優勝の4日後に店にも来たといいます。

 (中谷賢平さん)「岡田とはしょっちゅう会うけどな。(Q岡田監督はどんな人?)テレビで映るイメージとは違うと思うわ、プライベートは。楽しいし、冗談も言うし、ツッコミ入るし。一番うちの店が楽かは分からんけど、テレビみたいに『おーん』とか言わへんで。普通にしゃべっている」

 ファンが岡田監督の隣の席になることは店では当たり前のことだそうです

 (中谷賢平さん)「うちの常連さんは監督が来ても別に何も言わへんわ。知らん顔して。『お疲れさん』と言って終い」

『必死のパッチで仕事終わらせて来ました!』続々と集まる阪神ファンたち

 試合開始15分前、1人の男性が店に入ってきました。常連客の武山静夫さんです。

 (武山静夫さん)「(Qきょうは午後6時までに仕事が終わるように?)そりゃ必死のパッチやったもん。きょうは残業なかったのに急に残業してくれと言われてね。必死のパッチでここまで来ました」
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 午後6時、プレイボール。日本シリーズ進出をかけた大事な初戦です。必死のパッチで店に来た武山さんも応援のスタンバイ完了です。

 (武山さん)「(Qファン歴は何年?)ファン歴は短いですよ」
 (賢平さん)「巨人ファンから移ったんよ。嫁さんのパワーに負けて」
 (武山さん)「元々は巨人ファンやったんやけど、いつしか嫁が阪神を応援しとったわけ。それでだんだん阪神ファン寄りになってきた」

 「ファン歴は短い」と謙遜しますが、25年以上も夫婦でタイガースファン。奥さんは甲子園で観戦中なんだそうです。

 (武山静夫さん)「(Q奥さんはライトスタンドで観戦?)きょうはレフトちゃうかったかな。きょう会ってないから分からん」
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 試合は1回の攻防が終了。

 (中谷賢平さん)「これでいくわ、うまいことな。1回終わったから。あと監督がパインアメ何個食べるかや。平均7個らしいで。データではね」         
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 しかし4回表、広島が1点を先制。武山さん、不安を隠せません。

 (武山静夫さん)「残念。この1点が大変なことになるような気がして…大丈夫ですかね。関西対決やて言うてんのに広島対ロッテやったらどないすんねん!」
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 そんな不安を吹き飛ばしたのが、先制された直後の4回裏、森下翔太選手のソロホームランですぐに同点。さらに、続く5回には村上頌樹投手と近本光司選手の連続タイムリーで3点を追加して広島を突き放します。

 (武山静夫さん)「思いどおりの展開よ!」

4対1で阪神が勝利!賢平さん『理想どおり。監督すごい』

 午後8時。この時間、カウンターは満席に。肩を寄せあい応援に熱が入ります。
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 なかにはこんな客も…。2年前にわざわざ甲子園球場近くに家族で引っ越してきた男性です。

 「姫路から、阪神が好きで甲子園の近くに住みたいなと、近くに家を借りた。窓を開けたら(甲子園の)歓声が聞こえる場所で」

 客らはすでに阪神の勝利を確信。パ・リーグの覇者であるオリックスの試合を気にする余裕も…

 (武山静夫さん)「関西ダービー、大阪盛り上がるわ!経済効果」
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 一方の阪神は、先発・村上投手が6回1失点の好投。試合は9回表2アウトとなり…

 (客)「あと1球!いえーい!!」 

 4対1で阪神の勝利。大事な初戦を制しました。
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 (中谷賢平さん)「あしたも勝ちます。きょうは理想どおり。監督すごい」
 (武山静夫さん)「これできょうはゆっくり、きのうは寝られへんかったからね。これでゆっくり寝られる。(Q何で寝られなかった?)心配で心配で。大きいでしょ?1勝するかしないかで」

 そのころ、甲子園球場では六甲おろしの大合唱が!球場の外まで響きわたっていました。

カメラが趣味の常連客『胴上げの瞬間を撮れたのが一番うれしかった』

 そして試合終了から30分、店には次々と客が訪れます。甲子園で観戦していた人がやってきたのです。その中には武山さんの奥さんの姿もありました。

 (武山貴美子さん)「最高!優勝やね。日本シリーズ行きます。きょう勝ったら行けると思っていたのでよかったです」
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 店は喜びを分かち合うファンたちで再び賑やかに。すると、大きなカメラを手にする男性が入ってきました。

 (男性)「(Q新聞社の人ですか?)いや、素人です」
 (賢平さん)「うちのカメラマン」
 (男性)「趣味で」

 甲子園球場に年間40試合ほど訪れて写真を撮影しているという男性。大きな望遠レンズでセ・リーグ優勝の瞬間も収めました。
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 「(Q1試合で何枚撮る?)多い時は2000枚くらいですかね。やっぱり一番うれしいのは胴上げの写真を撮れたのがめちゃくちゃうれしかったです。胴上げの瞬間は一瞬しかないので、撮れるかなと思いながら。あれはうれしかったですね」

期待するのは“関西ダービー”!賢平さん『岡田監督、頑張ってください』

 終電も近づく午後11時すぎ。この時間になっても興奮は冷めません。尼崎から来た女性は…

 「甲子園にいながらオリックスの応援もしていたんですよ。逆転してくれたから『関西ダービーなるわ!』って。死ぬまでに関西ダービーを見たいと思っていました。それを見られたら幸せで死ねるかな思って」
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 賢平さんも阪神勝利の話に花を咲かせます。

 (中谷賢平さん)「もうほんまにうれしかった。関西ダービーやってほしいですね。岡田監督頑張ってください」

 ほろ酔いの賢平さん。日付が変わった午前1時まで祝杯は続いたそうです。

2023年10月20日(金)現在の情報です

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