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「神戸空港×ミニチュアの神」が挑む『巨大ブロッコリー』リアルさを追い求める制作の裏側に密着 "ミニチュアになった気分になれる"!?

2022年09月29日(木)放送

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 国際線の就航が決まり話題となった神戸空港。次の一手として考えているのが『ブロッコリー』です。写真映えが狙いということですが、その戦略と裏側を取材しました。

大人が手を広げても余るほど!?神戸空港に『巨大ブロッコリー』

 神戸・三宮からわずか8kmの海上にある神戸空港。これまで国内線に特化して運用されてきましたが、2030年前後に国際線の定期便の就航が決まりました。

 (空港利用者)
 「絶対使うと思います。関空に行くまでの時間で韓国に行けるもん」
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 9月5日、その神戸空港に、運営する関西エアポートの山谷佳之社長の姿がありました。展望台に新設した“あるモノ”を確認するために来ていたのです。

 (山谷社長)「これはまだ外さない?外せない?」
   (社員)「外せないです。オープンしていないので」
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 中は見えませんが、大人が手を広げても余るほどの大きさの巨大ブロッコリーなんだそうです。

 (関西エアポート 山谷佳之社長)
 「かなりでかいね。幕があるんだけど、なんとなくここにブロッコリーがあるのはわかりますね。楽しみやねぇ」
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 集客につながる“新たな顔”にとコロナ禍で静かに温めてきたプロジェクトです。

 (関西エアポート 山谷佳之社長)
 「苦しい時期だけれども何か仕掛けを作っていたということが、民間に委託していただいた1つのあり方だと思いますから。ロングタームで何かを発信し続ける空港でありたい」

キーマンは“ミニチュアの神”『訪れた人がミニュチュア気分になる仕掛け』

 今年6月初旬、関西エアポートの田中康太郎さんはプロジェクトのキーマンに会うために空港ロビーに向かっていました。
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 そのキーマンというのは、ミニチュア写真家・見立て作家 田中達也さんです。
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 偶然の田中同士ですが、田中達也さんは、日常にある物を別の物に見立てたアートを制作することで知られ、朝ドラのオープニングを手掛けるなど“ミニチュアの神”とも呼ばれています。
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 中でも代表作はブロッコリーの森でピクニックを楽しむ家族。
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 今回は、ちょっと発想を変えて、このブロッコリーをアレンジした空間を神戸空港につくろうと企画しているのです。

   (スタッフ)「これがブロッコリーです。田中さんいかがですか?」
 (田中達也さん)「いいんじゃないですか。リアルだなぁ」

 いつもの作品とは逆バージョンで、巨大なブロッコリーを展望台に置いて、訪れた人がミニュチュアになった気分を楽しんでもらう仕掛けです。

 でも、これまで空港のターミナル改修などを手掛けてきた田中康太郎さんは戸惑い気味。

 (関西エアポート 田中康太郎さん)
 「(これまでは)安全安心のためにとかっていう改修が多かったです。デザイン性の高いプロジェクトなので…未知です」
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 リアルな巨大ブロッコリーをつくるには忠実な色の再現が欠かせません。そのため田中達也さんからは厳しい注文が。

   (制作業者)「ちょっとのっぺりした感じにはなるんですけど、塗装でこれくらいには見せられるかなと」
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 (田中達也さん)「緑すぎる。新鮮じゃない感じもイヤ。こういう色味がいいなと。おいしそうな感じ」

「やりすぎてもダメだし少なすぎてもダメ」リアルな色になるよう奮闘する職人ら

 その2か月後。制作現場では、専門業者が田中達也さんの求める色の実現に向け作業に追われていました。
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 (塗装職人)
 「やりすぎてもダメだし、少なすぎてもダメなので。リアルに近づけるのは難しいです」
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 リアルさを追求するため、本物のブロッコリーを3Dスキャンして大きくかたどり、発泡スチロールで土台をつくります。
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 特殊な樹脂などを塗って成型・着色していきますが、使用するのは発色がよく雨風にさらされても色あせしにくい塗料。塗り重ねてリアルな色を生み出していきますが、職人の技をもっても容易ではありません。

 (塗装職人)
 「統一感は出したいですけど、全部同じではないように」

 まる1週間かけて色づけが行われ、その仕上がりに田中達也さんも納得したようです。

素材は神戸にゆかりのあるもの!『神戸の街』に見立てたミニチュアアートも

 実はプロジェクトは“ブロッコリーの映えスポット”のほかにもうひとつ目玉があります。それが神戸の街に見立てたミニチュアアートです。

 (ミニチュア写真家・見立て作家 田中達也さん)
 「神戸にゆかりのあるものを集めてもらっている。マウントレーニア、あれ神戸の工場でしか作っていないらしいんです」
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 素材はほぼすべて神戸ゆかりのもの。一見、空き箱などが並んでいるだけのようですが…。
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 田中達也さんの手にかかるとビルや行き交う人なと“街並み”に見えてくるから不思議です。
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 ミニチュアの世界からふと顔を上げ、窓の外を見ると本物の神戸の街が広がる。空港の新しい楽しみ方の提案です。

いよいよ巨大ブロッコリーを設置!搬入作業は夜通し

 8月16日、最終便の運航を終えた午前0時の空港は、異様な緊張感に包まれていました。トラックの荷台にはあの巨大ブロッコリーが。

 (関西エアポート 田中康太郎さん)
 「ブロッコリーのオブジェをクレーンでつり上げて、現場に設置する作業を今からしていきます。大がかりですね」
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 高さ3m余り。横たわっていてもその大きさがわかります。前代未聞の搬入作業。重量や大きさを考慮してクレーンで運び込むことになりました。万が一、落下すれば大事故となりかねないため、慎重にワイヤーが取り付けられます。
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 そしていよいよブロッコリーが荷台から浮き上がりました。半分で重さは約230kg。
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 そらを舞う巨大ブロッコリー。30m近くまで伸びたクレーンの先ではブロッコリーが大きく揺れます。

 (記者リポート)
 「右へ左へ風にあおられて、おろすのが大変そうですね。おー、あぶないあぶない。むっちゃ揺れてる」
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 海上空港ゆえの強風に悩まされますが、約3分で無事、展望台に。もう半分も柵を越えて所定の場所へ。

 滑走路のすぐ傍だけに…。

 (関西エアポート 田中康太郎さん)
 「絶対に飛ばされないようにしないといけないので、ここは頑丈になっていると思います」
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 安全第一の空港で滑走路近くにオブジェを設置するのは異例のこと。ネジで固定するだけでなく、特殊な樹脂を塗るなどして支柱と一体化するなど念には念の対策を講じます。しかし…。
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 (ブロッコリーを合体させようとする業者)
 「せーの、よいしょ。あたっているな、なんか」

 綿密に設計したはずのブロッコリーですが、なかなかうまく合わさりません。結局、設置作業は夜通し行われました。

本物そっくりの仕上がりに!「撮ったら本当にブロッコリー」

 後日、オブジェとして完成したブロッコリーの最終チェックに訪れた2人。

  (田中達也さん)「いい感じになりましたね」
 (田中康太郎さん)「そうですね」
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 設置された実物を見て…。

 (ミニチュア写真家・見立て作家 田中達也さん)
 「ちゃんと再現していただいているので、すごくいいなと思って。あとこことかも、ちゃんと葉っぱにしてもらっているので」
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 目を凝らしてみても大きい以外は本物そっくり。思わず田中さん、スマートフォンを取り出して撮影します。

  (田中達也さん)「リアル、リアル」
 (田中康太郎さん)「むっちゃリアルですね」
  (田中達也さん)「撮った方がリアルですね。撮ったら本当にブロッコリー」
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 田中達也さんが撮影したブロッコリーの写真を見ると、確かにこれは映えそうです。

 ダブル田中で挑んだプロジェクト。集客はもちろん、神戸の新たな発信拠点としても存在感が期待されます。

 (関西エアポート 田中康太郎さん)
 「どこも厳しい予算があるので、その中でできる限りのことをしてなんとかできたと思っています」
 (ミニチュア写真家・見立て作家 田中達也さん)
 「海外の人が『なんだこれ?』って『What?』みたいな、どういう意味なんだって言われそうなんで、そこで逆に調べてもらって知るきっかけになればいいと思う」

 近い将来、世界の人が利用する空港への足がかりとなるのでしょうか。巨大ブロッコリーのオブジェは9月30日オープンの『MINITURE LIFE×KOBE AIRPORT』で見ることができるということです。

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