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『ファイザーとモデルナで副反応に大差ないと周知すべき』医師が必要性を訴え...モデルナ余り大阪市では約8万回分を廃棄へ

2022年04月20日(水)放送

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 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が始まって約5か月が経ちましたが、3回目の接種率は全国で49.2%(首相官邸より・4月20日時点)、大阪市では37.8%(大阪市HPより・4月17日時点)となっていて、接種が順調に進んでいるとは言えない状況です。そんな中、大阪市で8万回分のワクチンが4月25日に有効期限を迎えます。現場では何が起こっているのか、医師に話を聞きました。

3回目接種を終えているのは対象者の約半分

 大型連休を前に若者らへのワクチン接種を呼びかけた松野博一官房長官。

 (松野博一官房長官 4月20日)
 「若い方を含めワクチン3回目接種を早期に受けていただくこと、国民の皆さまにご協力をお願いしたいと考えております」

 ただ4月19日までに3回目接種を終えているのは対象者の約半分。大阪に設けられた自衛隊による大規模接種会場2か所では、4月19日正午時点で翌週の予約が定員の約7%しか埋まらないなど、接種が順調に進んでいるとは言えない状況です。

大阪市でモデルナ製ワクチン約8万回分が廃棄へ

 こうした中、大阪市の松井一郎市長から、モデルナ製ワクチンについてこんな発言がありました。

 (大阪市 松井一郎市長 4月20日)
 「(3回目を)打たない人がこれだけいるわけですから、期限を過ぎてしまった場合は廃棄せざるを得ないと思っています」
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 コロナの“ゲームチェンジャー”とも言われたワクチン。それなのに大阪市で保管するモデルナ製ワクチン約8万回分が使われないまま、4月25日に有効期限を迎え廃棄予定だというのです。現場で何が起こっているのでしょうか。

現場でもモデルナとファイザーの予約数に偏り

 大阪市中央区にある福本医院では、ファイザー製とモデルナ製両方のワクチンを扱っていますが、その接種状況には大きな偏りがあるといいます。

 (福本医院 福本淳院長)
 「副反応を経験されたモデルナ接種者がSNS等を通じて発信されたのがかなり影響しているように思います。ファイザーは1週間で100回分ずつくらいのペースで予約が入ってきていますね。(モデルナは)1週間で150回分の予約枠に対して20~30人。(1、2回目に)モデルナを接種されて副反応が強かった方が、ファイザーを求めて予約されることが非常に多いですね」
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 モデルナ製ワクチンの有効期限は約9か月とされていますが…。

 (福本医院 福本淳院長)
 「(期限は)4月25日です。570回分ですね」

 期限が来たらこれらは廃棄するしかなく、5月以降のワクチンも確保しましたが、実際にどれくらい接種することになるか見通せないといいます。

大阪市の集団接種会場は2か所閉鎖へ

 3回目の接種率の低さに“モデルナ控え”。大阪市は集団接種会場のうち、中央区の「心斎橋BIGSTEP」と住之江区の「オスカードリーム」の2か所を4月24日に閉鎖し、モデルナ製だった阿倍野区の会場「やすらぎ天空館」をファイザー製に切り替えるなど、ニーズにあった体制への変更を決めています。
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 現場の医師はファイザーとモデルナで大差がないとされている副反応について広く周知する必要性を訴えます。

 (福本医院 福本淳院長)
 「厚労省から副反応についてのデータの発表がありましたけども、ファイザーとモデルナにそれほど大差がないと出ていましたので、それを広く皆さんに伝えて(ファイザーとモデルナを)平等に選んでいただけるような状況になればいいのではないかなと思います」

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