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"入院先が見つからない"対応に追われる『保健所』 コロナ患者を搬送する『救急現場』では長時間"車内待機"のケース相次ぐ大阪の現状

2021年04月29日(木)放送

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新型コロナウイルスの感染拡大で病床がひっ迫する今、コロナ患者の入院先が見つからないという事態が相次いでいます。次々と感染報告が届き対応に追われる「保健所」。そして、受け入れ病院が見つからず患者を車に乗せたまま長時間の待機を余儀なくされる「救急現場」を取材しました。

「きょう中に帰れていない」負担が激増の保健所

4月27日、大阪の豊中市保健所は、新型コロナの感染者が急増した第4波でかつてないほどひっ迫していました。

(電話対応する保健所の職員 4月27日)
「きのうのPCRの結果が出まして、検査の結果、陽性ということで」
「大阪府の入院のベッドがいっぱいなので、4月30日までに入れるかどうかはなんとも…」
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医療機関などでコロナ患者が確認されれば、保健所に通知が届きます。保健所は濃厚接触者の調査や患者の症状の聞き取りを行って、入院が必要かどうかを判断しますが、今はあまりの感染者の多さに負担が激増しているといいます。

(豊中市保健所 武本翔子さん)
「“きょう中に帰れていない”というのが保健所のスタッフなので…。陽性になる数も第3波までに比べて多いですし、第3波よりは重症化するというか、症状が強く出られる方が多い印象」

病床に余裕なし 急変しても入院先が決まらないケースも

保健所は患者からの聞き取りの結果『入院が必要』と判断した場合、大阪府の入院フォローアップセンターに連絡。センターが入院先を調整しますが、すでに病床には余裕がなく、受け入れる病院がすぐに決まらない事案が増えているというのです。
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  (職員)「(患者が)泣いているんです」
(武本さん)「入院(要請)はかけるけど、たぶん決まらないから、宿泊(療養)に行ってから入院の方が…」
  (職員)「一応言ってるんですけど…」
(武本さん)「エントリーするにしても、軽症・中等症しか空いていないから。万が一重症になった時も待ってもらわないといけないという話もしないといけない」
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保健所では、症状だけでなく、自宅療養する上で急変時に連絡してくれる家族がいるかなどを参考に優先順位をつけた『入院待機者リスト』を作成。それを府のフォローアップセンターに伝えます。

(豊中市保健所 武本翔子さん)
「きょうで16、17人くらいが入院を待っておられるような状況ですね。かなりしんどい状態の方だと思うんですが。(Q今のところ何人の入院が決まった?)きょうは全然まだ決まっていないです、1人も。医療機関もすごく頑張ってくださっていて、これ以上どこに何を求めていったらいいのかなというのが正直なところですね」
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しかも、コロナ患者の容体が急変し消防が出動した場合でさえ、入院先が見つからないケースも相次いでいるといいます。

(豊中市保健所 松岡太郎所長)
「入院先が決まるまで17時間ほど、救急車の中で待機していただいたという事例がありました。非常に医療体制がひっ迫しているという大変な状況にあるということを、皆さんにご理解いただきたい」

コロナ患者の救急搬送も行う「民間救急」

消防の救急がひっ迫する中、『民間救急』の重要性が増しています。取材したのは大阪市にある「関西メディカル民間救急」です。本来は緊急度の低い転院時などに患者を運ぶのが民間救急の役割ですが、コロナ禍の今、消防の負担軽減のため、コロナ患者の入院などの救急搬送も担当しています。
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4月26日正午すぎ、大阪府内の保健所から搬送依頼の電話がありました。自宅療養中のコロナ患者が急変し、119番通報により消防が出動したものの入院先が見つからず、より緊急度の高い患者に対応する必要があるため、消防の代わりに患者を運んでほしいという依頼でした。ただ、この時点で受け入れ病院は決まっておらず、搬送先は『未定』となっています。

(関西メディカル民間救急 畔元隆彰社長)
「(Qどのくらい待つ?)ちょっとわからないです。搬送先が決定したらそこの病院に搬送という形になります」

車内で待機する“酸素投与が必要な患者” 入院先が決まったのは『約8時間後』

要請を受けてただちに現場に向かい、午後1時ごろ、患者の自宅前に到着しました。そこには酸素投与が必要な中等症患者がいました。ストレッチャーで家から運び出し、車両に運び込みます。
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【搬送車内でのやりとり】
   (患者)「苦しいです」
(救急救命士)「苦しいですか?今移動したのでお体に負担かかったかもしれないですね」
   (患者)「まだ入れる病院はない?」
(救急救命士)「そうですね。まだ病院は決まっていないので、保健所で待機という形になるんですけども」
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民間救急の搬送車には消防の救急車とほぼ同等の設備がありますが、搬送先が決まるまでの間、万が一に備え、医師が常駐する保健所の駐車場で待機することになりました。入院先を調整している間、救急救命士は待つことしかできません。

【搬送車内でのやりとり】
(救急救命士)「数値的には落ち着いてきているのでね。リラックスできる状態かわからないですけど、車の中。もうちょっと時間がかかるみたいです、病院の方が。ご自宅にいたときの方が楽ですか?」
   (患者)「そりゃそうやね」
(救急救命士)「そうですよね」
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4時間後―――

【搬送車内でのやりとり】
(救急救命士)「しんどいね?」
   (患者)「口が渇いてしんどい」
(救急救命士)「飲み物何か飲みます?」
   (患者)「うん、もらえたらうれしいけど」
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患者の体調を気遣う救急救命士。そして時間は午後9時半ごろに。

【搬送車内でのやりとり】
(救急救命士)「病院決まりました」
   (患者)「ありがとうございます」
(救急救命士)「もうあとちょっとで出発致しますので。長かったですね、8時間くらいですよ。お体負担かかったと思いますけど」
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民間救急が自宅前に到着してから約8時間半が経過していました。急いで軽症・中等症患者を受け入れる病院に向かい、午後10時ごろ、搬送先の病院に到着。院内へと運ばれていきました。

【搬送車内でのやりとり】
(救急救命士)「病院に着きました」
   (患者)「ありがとうございます」
(救急救命士)「お疲れさまでした」
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民間救急の救命士は医療崩壊ともいえる現状に向き合い続けています。

(救急救命士 濱野駿介さん)
「(感染はすぐには)収まらないと思いますね。根気強く付き合っていくしかないかなと思っています。僕らは搬送しか携わることができないですけど、医療従事者としてできることはしっかりやっていきたいと思っています」

(4月29日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

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