今だからこそ『テレビについて』しゃべる
西田二郎(ytvプロデューサー)×村田元(MBSプロデューサー)
「テレビマンにとっての"お金儲け"は大事?」


西田:金儲けは大事や、って思ってんの?
村田:テレビの番組作る人間としては、当たる番組を作るということがお金儲けなんだろうって。
西田:当たるというのは視聴率たくさん取ってることが、当たるということになるんでしょうか。
村田:僕は視聴率を取ったというよりは、それよりも僕の番組をマネして、第二第三の番組がどっかでできるという方が当たった感が強いです。
西田:あ、パクられたい?
村田:パクられたい。
西田:同じ業界の人に認められたいのね。同業者にパクられるぐらいリスペクトされたいのよね。お金儲けはしないとだめなんです。民間放送やし。でも、なんでお金儲けを考えなあかんのかって言ったら、社会に対するインパクトだと思うんですね。社会っていうものを揺り動かしたり、社会の何かを変えるほどの何かが見つかるような。アップルがiPhone作ったことは社会のインフラを作ってるわけで、これは儲けていいじゃないですか。あなたたちが社会を変えていくだけの創造的なテクニックとこれから先のものを融合した形で、時代を切り開いていく人たちですもんね、っていうことがお金というもので承認されていく。テレビの中で言うとどういった意味でやったものが社会を動かすんやろう、っていうことが考えられてたら、お金儲けに繋がるんやろうと思うんですよ。番組作って「これはもうシンパシー感じるわー」ってなったり、「困ってる人がいるからなんとかしようや」でお金集まるかもしれない。僕たちはなんでコンテンツを思いついたり、作ろうとしてるのかというと、お金儲けじゃないんですよ。何を与えたいかって言ったら、やっぱり喜びなのか発見なのかでしょう。それを一生懸命考えて、たくさんの人が心揺さぶられたり、行動を起こすんやったら、その分は返ってきたらええやんって思う。
村田:何かを動かしたからお金がついてきたっていう実感あります?
西田:そういう意味ではちゃんと社会にインパクトがあったから、2次的3次的に「何か商品開発やろか」とかになったりしたのはあるけど、「商品開発をするねん!」って番組作ってたらあかん、という気はしますよね。それはなんか目的がなんかちゃうところにいってしまってるやろうから。
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