8月14日放送の「日曜日の初耳学」に、イェール大学助教授を務める経済学者・成田悠輔氏が出演し、歯に衣着せぬ“成田節”を展開した。データに基づいた冷静な現状分析と自由な発想で現状を打開するアイデアが! 聞き手の林修先生も唸った、天才の思い描く日本の未来とは?
■日本の若者は「超超マイノリティ」
<インタビュアー>企画としては初めてとなる"2度目のオファー"に応えて登場した成田氏。東京大学卒業後、マサチューセッツ工科大学で博士号を取得し、30歳でイェール大学助教授に就任した経歴の持ち主だ。データ分析に基づいた提言には説得力があり、前回の出演動画は再生回数300万回を突破した。
まず林先生が"若者の選挙離れ"について尋ねると、成田氏は「"若者よ、選挙に行こう"みたいな話はほとんど意味がないんじゃないか」と指摘。
「30歳未満の日本人は、人口の25%ぐらいしかいない。日本の中で若者は"超超マイノリティ"なんです。その若者が(現状の政治システムの中で)選挙に行っても、選挙結果を変えられないと思うんです」と真意を解説した。
そのうえで、現代社会に合った新しい選挙制度の議論をしてもいいのではないか、と成田氏。選挙権・被選挙権に年齢条件や"定年"を求めるアイデアや、選挙区を地域ではなく世代ごとに作るアイデア。また、余命が長く政治の影響を大きく受ける若年層ほど一票に重みを与える仕組みなど、海外で実際に行われているものも含め、若者の意見を政治に反映させやすくするアイデアを紹介した。
■週休3日制で生産性はアップする!?
続いては、週休3日制など"日本の働き方改革"について。成田氏は「出発点としてはいい動きなんじゃないでしょうか」と評価する。
今、日本の労働市場が抱える問題の一つが、労働の質・生産性の低下だ。主要7か国の1時間あたりの労働生産性ランキングを見ると、日本は最下位。首位アメリカと比べると6割にとどまる(公益財団法人日本生産性本部 2020年データより)。
この"生産性が低い"問題と戦うために、「働き方をどう変えるのかを試行錯誤していく必要がある」と成田氏。その中の一つが週休3日制だ。
実際、アイスランドやニュージーランドなど週休3日制を導入した国で、労働時間を減らしても全体の生産量はあまり変わらなかった、という研究結果が出たという。働く時間を減らすことで集中力が高まり作業効率がアップしたのがその理由では、といわれている。
成田氏は働き方改革の試行錯誤に期待しつつ、「日本の場合、実証実験はよく行われているが、効果検証にはあまりつながっていない気がします。(同じ間違いを繰り返さないために)効果がいかほどだったのかを検証することが大事なのかな」と指摘した。
■日本経済、回復のカギは"新たな価値基準"
続いては、物価高が進む日本経済の今後について。成田氏は「今、日本はいい時代を過ぎた引退直前の存在で、インドとか中国が20~30代。自然な世代交代、新陳代謝の一部と考えてもおかしくないんじゃないか。それは、成熟して豊かになり、老いた国全体に共通していることなんだろうと思うんです」という。
そして、「一旦リセットして、ゼロベースで何をするか。わかりやすい一発逆転を狙うのは難しいということを前提に、新しいことを始めようとする企業の邪魔をするような規制をできるだけ取り除くとか、そういうことを積み重ねるしかないんじゃないか」と語った。
さらに成田氏は、日本経済を元気にする足がかりとして「"お金"というものが何を意味しているかがすごく多様になってきている。価値の測り方が全然別の方向に向かっている」と指摘。例として、SNSのフォロワー数など、新たな価値基準の可能性にも言及した。
常識にとらわれない発想で日本の現状と今後について語り尽くした成田氏に、スタジオからも納得の声が上がっていた。
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<インタビュアー林修>2本立てとなった8月14日放送「日曜日の初耳学」より、成田悠輔が日本の今後について語り尽くした回、そして、二宮和也がその演技力の原点についてじっくり語った回(二宮和也登場回・後編)がそれぞれTVerで見逃し配信中!
成田悠輔はここをクリック!
二宮和也(後編)はここをクリック! ※8月21日(日)21:59まで
また、<インタビュアー林修>二宮和也がハリウッドデビューの舞台裏について語った回(2022年8月7日放送)、イェール大学助教授・成田悠輔登場回(2022年4月放送)をTVerにてプレイバック公開中!
二宮和也 登場回(前編)はここをクリック! ※8月21日(日)21:59まで
成田悠輔 登場回はここをクリック!
「日曜日の初耳学」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。
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