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「2世信者に2世を見張らせるやり方は非常識...」有識者検討会のメンバー・菅野志桜里氏がみた旧統一教会の緊急会見「やればやるほど馬脚をあらわす」「解散命令請求は可能」

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10月20日に旧統一教会が緊急会見。勅使河原本部長は「2世に寄り添うために」として教区長を2世信者に変え、会場には新たな教区長20人が顔を見せました。これを見た消費者庁の「有識者検討会」メンバーの菅野志桜里氏は「2世信者を2世信者に見張らせるという、やればやるほど弥縫策で奇異に映る」と批判しました。また、検討会としては旧統一教会の解散請求へ向けて着実に動き出していると手ごたえを語ってくれました。(2022年10月20日MBSテレビ「よんチャンTV」より)

菅野志桜里氏 記者会見を見た印象

有識者検討会へ参加したのは、河野大臣の指名ですか。

―――役所からメールが来て、実際に会って「入ってほしい」と。私としても予想外でビックリしました。背景はわかりませんが、河野大臣の直接の指名ではないと思います。公にしているフォームからメールが来ました。

―――旧統一教会の会見では教区長を「宗教2世の20人」にするなどの内容でした。

2世に2世を見張らせるやり方は…。「悩みを通過した方」と本部長は言っていたが、通過した先が教団だった方々ですよね。やり過ごすための弥縫策に見えますし、あまりに非常識でやればやるほど奇異に映るというか、馬脚をあらわすという感想を持ちました。

国際的リーガルチームについては、その前にあえて「第三者的」と強調しておっしゃっていたので、出られた方々は、場合によっては全員信者の可能性もあると思われます。そう思うと外部の目が入っていない、入れようとしていない。だから世間からは、おかしな会見内容に見えてしまうんじゃないでしょうか。

―――消費者庁の有識者検討会を経て、はじめて「質問権」を行使へ。菅野さんも「決定的な一歩」と評していますが、検討会をふりかえっていかがですか。

合言葉が「枠を超える」ということで、法改正、旧統一教会への対応を打ち出すんだ、というのが共通事項でしたので、それが力になりました。

―――ライブで多くの人が見たことは?

政府におもねった発言はできませんし、終わった後すぐにメールや電話で、委員にならなかったけどジャーナリストや弁護士の反応がダイレクトに来るので、それをすぐ反映させる。週1ペースなのでタイトなのですが、スピーディにものを積み重ねることが出来て、良かったです。

私の元にも、「もっといい方法がある」とか「物足りない」という意見がすぐ来た。委員だけでなく外の皆さんと一緒に作った印象があります。

―――この先の流れは、10月25日に専門家会議が予定され、調査は文化庁宗務課の職員8人が行いますが、菅野さんの懸念は「8人に法律の専門家がいない。態勢強化が必要」とのことですね。

文科大臣は「8人で頑張ればやれる」と仰っているようですが、気合の問題ではなく専門性の問題なので、文科省の他の部署や法務省など、日ごろから分析調査している方に早く入ってもらう必要があると思います。

―――実際にはできそうなのですか?

政権からも「強化は必要だ」という声も聞こえているので、できるしやってもらわないと困ります。あとは、これまでコツコツ調べてきたジャーナリストや弁護団などに謙虚に教えを乞うて、資料をもらってともに分析することも必須だと思います。

菅野志桜里氏 解散命令請求へ至る流れが”自然”

―――解散命令の請求について「民法の不法行為は入らない」としていた岸田総理の発言が一転し「考え方を整理した結果、民法の不法行為も入る」と話しました。法解釈が変わる事についてどう思いますか?

正しい軌道修正であれば、この点は歓迎したいと思いますが、「質問権やります」という前にどういう事案で質問するのか詰め切れていない点は、政府としてかなり不安だと感じています。

(当初の発言について)ちょっと穿った見方をすると、岸田総理は「刑法の事案がありそうだ」ともおっしゃっていた。刑事事件をにおわせながら、すでに何十件もある民法関連を外して、先送りして様子を見る、あるいは質問はするけど請求しない。というシナリオが一部で描かれていたという懸念もあります。

いずれにしても「これではもたない」ということで一転させたという事で、逆に解散命令請求に大きく踏み出す結果となった。

―――菅野弁護士によると教団側敗訴の民事事例は約30件、法令違反の疑いもあるケースもある、疑いを晴らす説明や資料があるかに注目しているということですが。

教団側の違法行為が裁判で認められている事案が数十件ありますので、ある資料をもとにしっかり質問すれば、疑いは晴れなかったとして、解散命令請求に至る、こういう流れが自然ではないかと思います。

―――過去の解散命令請求の2例は刑事事件でした、今回の実現性は?

刑事の場合は捜査のプロがしっかり資料を調べ挙げている点が民事と違います。ただ民事の事件であっても弁護団が詳細を詰めて勝ち取った勝訴判決が多くあるので、刑事事件に劣らない資料が詰まっていると思います。

―――請求後、裁判所がもし認めなかったら?

どちらにしても、抗告という手段で争う道はあります。ただ大事なのは、請求へのスピードも大事けれど、裁判所に認めてもらえる資料をしっかり集めて請求する、準備の万全さが結果を左右すると思います。

2022年10月20日(木)現在の情報です

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