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『コロナ感染後に職場で"菌"扱い』『不要な再検査を求められる』...コロナ禍で周囲に悩まされている人々の嘆き

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2月23日の毎日放送『よんチャンTV』では、新型コロナウイルスに関して視聴者から寄せられた体験談について取り上げました。今回のテーマは「コロナ禍において周りの人たちの対応に悩まされている方々」です。スタジオには、感染症が専門である関西医科大学附属病院の宮下修行教授、そして法律の専門家であるプリティ梨佐クリスティーン弁護士に来ていただきました。

療養期間が終わり職場復帰…しかし勤務先から『家族の陰性も確認してほしい』

【視聴者からのメッセージ】
「大阪の会社に勤務していますが、先日、コロナの感染者が出て大騒ぎになりました。通勤の満員電車や車内の過密状態を棚上げし、会社以外の外出や会社以外の人間と会ったことが原因だと、経営陣が声高に感染者を責め立てています。本人がコロナで苦しんでいる中で吊るし上げています」
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さらに、次のようなメッセージも届きました。

【Aさん(40代)からのメッセージ】
「コロナに感染し、療養期間を終え、職場復帰しようとしたところ、勤務先から『一緒に勤務する人たちの心情を考えて、濃厚接触者である家族の陰性を確認してからにしてほしい』と言われました。家族はすでに待機期間も終了し、症状もありません。何のための待機期間なのでしょうか?」
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(大吉洋平アナウンサー)
「この2つ目のAさんの例をちょっと詳しく見ていきましょう。まずお子さんである小学2年生の次男が2月1日に発症し、その後陽性となりました。Aさん自身は2月6日に症状が出た後に陽性となりました。夫と小学5年生の長男は濃厚接触者として自宅待機が求められました。そして、それぞれの療養期間や待機期間を経て、晴れて登校再開というふうに次男も長男もなるわけです。そしてAさんも、10日間の療養期間を経て、晴れて仕事に復帰ということになるわけなんです」
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(大吉洋平アナウンサー)
「しかしAさんは仕事復帰に際し、勤務先の人から『濃厚接触者である夫と長男の陰性を証明してほしい』、こういったことを言われました。Aさんが『出さなくていいことになってると思うんですが』と言うと、勤務先の人からは『周りの人の迷惑になる。周りの気持ちを考えてほしい』と言われました。さらに、2月14日の月曜日から登校を再開していた息子たちは、勤務先の求めに応じて2月17日の木曜日に長男が検査を受けたところ、学校側から『検査を受けた以上、陰性判明までは休んでください』と言われました。そして18日の金曜日は欠席することになったと。Aさんは『現場で初の感染だったし、子どもがいるのは私だけだったから、現場の人も不安だったのかな』と。ではルールはどうなっているのか。ここをしっかりと私達みんなで理解していきましょう。職場復帰に陰性証明の提出は必要ありません。だからAさんは正しいんです。厚生労働省が出している“事務連絡”によると、『宿泊療養・自宅療養における就業制限の解除、濃厚接触者の待機期間の解除とともに、職場での勤務を開始するにあたり、職場に陰性証明などを提出する必要はない』となっています。ないからこそ療養期間というのが決められているんですね。だから、Aさんの例で言うと、職場の人ですね、なんとなくの感情論で発している“ローカルルール”というのが実は大きな混乱を招いていて、本来受けなくてもいい検査を受けさせてるかもしれない。宮下教授、療養期間を経て、症状があったら別の話ですが、このあたりのルールについて改めてどうお考えですか?」
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(宮下修行教授)
「そうですね。これはもう上の人がですね、きちんと『これは大丈夫だ』ということを認識する。これが第一です。そして今回の場合は全くこれは提出する必要がない。10日間、きちんともう感染性がなくなっているという状況ですので、何の問題もないような症例ですね」

(大吉洋平アナウンサー)
「ただ、やっぱり何か社会ではね、『10日間経ってるけれども陰性出たん?』『10日で出てないの?大丈夫なの?』というやりとりって、ちょっとありそうですよね」

(宮下修行教授)
「はい。ただ、これは陽性になります。陽性になるんですが、これは遺伝子だけを取ってきているもので、生きたものは全然出ていないんですね。ですから、ここで検査をしてしまいますと、陽性になってしまったら、『陽性だったら来てもらったら困る』みたいなことも起こってしまいます。“生きたものはもう検出されない”というふうに認識してください」

(大吉洋平アナウンサー)
「いわゆる、そのウイルスの死骸みたいな事ですね。検査では増殖させて陽性か陰性かを判定するから。だから、そういうことも加味した上での療養期間。そこを経たら、もう堂々と胸を張って社会復帰したらいいということなんですね」

療養期間を経て仕事再開するも職場では『菌』扱い

続いては医療従事者の方から次のようなメッセージが届きました。

【医療従事者・みきさん(40代)からのメッセージ】
「コロナに感染してしまいました。今は療養期間も終わり、仕事を再開しているのですが、職場で『菌』扱いされています。悪くないと分かっていても、どうしても自分を責めてしまいます」
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(大吉洋平アナウンサー)
「こんなこともあるんだなって驚くんですけれども。実際にどんなことを言われたかというのもメッセージに書いて下さいました。職場復帰した直後、おそらく精神的にもいろいろ不安なこともありますよね。仕事場の人に顔も見ずに言われた言葉が、『菌があるから離れよ』『私かかりたくないねん。かかったらどうするんよ』。その人はこれまでも、日ごろから次のようなことを言っていたといいます。『買い物に行ったり、電車に乗ったり、外でご飯食べたりするからコロナになるんよ』。その人の普段の言葉を思い出し、責められているとみきさんは感じたということです。コロナのニュースを見ると自分を責めてしまい涙が出ると。宮下教授、コロナ禍が始まったころに、お子さんがいらっしゃる医療従事者の方々が、要は社会で、外で、あらぬバッシングを受けるということがありました。なにかそこに通ずるものもあるのかなという気もするのですが」

(宮下修行教授)
「そうですね。これだけを見ると、本当に第1波のころを思い出しますね。もう2年前になるんですけれども。今は誰がコロナにかかっても全く不思議ではないので、コロナにかかること自体で、この方が自分を責めるということは全く必要がないことです。誰もがかかるものです。ですから、これを責めている方の認識が全く世間からずれている、というふうに胸を張っていただいても私は問題ないかと思いますね」
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(大吉洋平アナウンサー)
「そうですよね。言っている本人もコロナにかかる可能性が十分にあるんだから、というところだと思うんです。このようなコロナに対する偏見や差別を防止する規定(特措法13条2項)というのがあります。国や地方公共団体は、差別的扱いの実態把握、啓発活動などを行う。例えば、どんなものがそれにあたるのか。『感染を理由に解雇される』、『回復しているのに出社を拒否される』、『感染者が出た学校の学生やその家族に対して来店を拒否する』、『感染者の個人情報を特定しSNSなどで公表する』というものです。今回、スタジオには弁護士のプリティさんがいらっしゃっていますので、法的な立場からのご意見というのをお伺いしたいと思います。コロナにまつわる法律事務所への相談。プリティさん、まずは感染者らの社内公表など、プライバシーの問題、こういったものが多いということなんですね」
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(プリティ梨佐クリスティーン弁護士)
「そうですね。まず会社内でコロナの感染者が出たときに、その人の名前を公表するかどうか、公表するとしてもどういうふうにするかっていう問題が1つあります。社内としては、会社内に他にも濃厚接触者がいるかどうかを特定する必要があるということで、例えばPCR検査を受けてもらうだとか自宅待機をしてもらうだとか、そういう整理をする必要があると思うんですね、2次感染を防ぐために。なのでそこに一定のニーズがある一方で、本人としてはプライバシーの問題もあるので『それを公表して欲しくない』と考える人もいますし。先ほどのコロナハラスメントじゃないですけれど、そういうものに繋がる可能性もある。さらに言うと、『○○さんがコロナに感染した』ということ自体が個人情報にあたりうるとも考えられるので、それを社内で氏名を公表するということはいかがなものかという発想です。これについては、社内全体に公表する必要性があるのであれば、氏名を伏せた状態で公表するっていうやり方もあると思いますし、氏名を公表する必要性があるのは、例えば濃厚接触者として特定された方だとか、その社内で対応されている担当者だとか、そこに限定しておくというやり方が無難かなと思っています」

コロナ禍で広まる“テレワーク”…通信料などは誰が負担?

(大吉洋平アナウンサー)
「会社の規模とか会社の持っている文化やカルチャーというところも影響しているのかなと思います。そしてテレワークの費用の問題。こういったこともあるんですね」

(プリティ梨佐クリスティーン弁護士)
「これも、まさにコロナが流行し出してからテレワークを導入している会社さんがすごく多いと思うんですけれども。それを、例えば家で使っているパソコンの費用だったり、通信料だったり、ビデオ通話するのはものすごく通信料がかかるので、それを誰が負担するのかという発想の問題なんですけれども。これは原則としては、『業務に使用する備品というのはその会社が負担する』というのが原則です。ただ、自宅用のパソコンだったり、スマートフォンだったり、通信料だったりが、自分のために私用でも使っているということであれば、何かその負担割合を定めておけば会社としても対応がしやすいのではないかなと考えられます」

家庭内感染を配慮してホテル住まい…補助は一切なく費用は全て実費

【視聴者からのメッセージ】
『看護師の娘は、80歳の祖父母がいるため、家庭内感染を気にしてホテル住まいを続けています。病院からの補助は一切ありません。全て実費です。このままではお金も底をついてしまいます』

(大吉洋平アナウンサー)
「ほかにも『寮を希望したけれども入れなかった』『もう20日間連続でホテル住まいで自腹で大変だ』、こういった視聴者からの叫びも聞こえてきています」

2022年02月24日(木)現在の情報です

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