今だからこそ『テレビについて』しゃべる
西田二郎(ytvプロデューサー)×村田元(MBSプロデューサー)
「"あいつ、すごい"は、絶対に思わない」


村田:ジャンルが違うけどすごいな、って思えて、そこに嫉妬がない感じですかね。
西田:教育的な考え方かもしれませんけど、「すごい」っていう感覚を植えつけない方がいいと思うんです。
村田:どういうことですか?
西田:中学校の時に「あいつ、すごいねん」とかって言う友達がいたんですけど、それを聞いても僕は皆目わからないんですよ。なんでかと言うと、めちゃくちゃ光ってるものがあったとしても、自分も光ってたらあんまりわからないじゃないですか。で、自分の方が光ってたら、こっちが光ってるから他のやつは光って見えないですよ。自分が一番光ってたら、絶対にものすごい光ってるっていうのは出てくるはずがないんですね。ということは、基本的に子供には「すごい、と思うな!」って、「相手が光ってるなんて思うな、お前がいちばん光ってるんだから、周りはくすんで当たり前や」って言っていかないといけない。若い段階で「すごい」なんて思ってしまうと、光を浴びるだけになっちゃう。「すごい」を目指すことになってしまったら、もう「すごい」にはなれないもん、って僕は思ってた。
村田:僕のカウンセリングみたいなことになりましたけど。
西田:新型コロナのことがあって今回は完全に無観客ですけど。
村田:この状態でやると、会話がすごく個人的な感じになってね。
西田:みんなを喜ばせるための会話にならないからね。
村田:僕はすごく楽しかったですけど。二郎さんの策士ぶりにもハマってしまいましたし。
西田:策士でしたか?
村田:策士でした。
西田:嬉しいですね。
村田:次はまたちょっと違う形でできたらいいですね。
西田:僕、あの最後の感想言ってないすけど、むらげんに楽しそうにしてもらって嬉しかったなーと思って。
村田:楽しかったです、もう本当に。
西田:僕もそれが分かるから、なんぼでもしゃべれるし、全然構えてへんもん。
村田:ドキドキでしたよ。
西田:あの、次回本当に是非やりましょう。皆さん楽しみにしていてください。
村田:ありがとうございました。
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◆プロフィール◆


1965年生まれ。大阪府寝屋川市出身。
大阪市立大学経済学部卒。1989年読売テレビ放送株式会社入社。「11PM」「EXテレビ」を経て「ダウンタウンDX」を演出。1998年制作会社「ワイズビジョン」出向、あまたの放送局と数々の番組を演出。タレントに頼らないバラエティ「西田二郎の無添加ですよ!」では民放連盟賞優秀賞。営業企画開発部長、編成企画部長を経て、編成局チーフプロデューサー。
パインアメプロジェクトや第一興商プロジェクト、流通科学大学プロジェクトなどコンテンツとビジネスを繋げる施策から、NJ名義にて日本クラウンにも所属し、音楽家としてFM OH!で自身のラジオ番組をも持つ。会社員の枠に囚われずパラレルに活動を繰り広げる演出家。一般社団法人 未来のテレビを考える会 理事代表幹事。
村田 元(むらたはじめ・写真左)
1968年東京都江戸川区生まれ。大阪大学人間科学部卒。
1992年株式会社毎日放送入社。通称は「むらげん」。20年以上にわたりテレビ制作局でディレクター・プロデューサーを務める。主な番組は【ちちんぷいぷい】にほぼ20年にわたり関わり、MBS60周年企画の【60日間世界一周】などをはじめ、様々なコーナー企画を担当。【オールザッツ漫才】でも初期から10年以上、総合演出、プロデューサーを務める。深夜番組でも、街を妄想しながら散歩する【見参!アルチュン】、若者が8万円を5時間でつかいきるドキュメントバラエティ【¥8万長者】、よゐこの深夜番組【よるこ】などを演出・プロデューサーとして手掛ける。番組制作以外でも、間寛平主催の【劇団間座】の演出を担当。
現在は報道局気象情報部長として、【気象】をあらたなコンテンツにする方向を模索しながら、【水曜トークショー】でも進行役としてたびたび登場し、各界のおもしろい人たちを紹介している。