金唐革職人 徳力康乃（９３歳）｜ガラス工芸作家 徳力竜生 #200 2020年05月17日(日)放送

京都・太秦に一軒の古びた洋館があります。「チェリ デザイン工房」です。螺旋状の階段を上がる吹き抜けには、優しい光が差し込むキャンドル型のステンドグラス。200年前の豪華客船の調度品に囲まれたこの屋敷を拠点に、美しくも神秘的な作品を作るアーティストがいます。徳力康乃さん、御年93歳。夫で漆芸作家だった故・徳力彦之助さんとともに1970年、前代未聞の巨大なアクリル製ステンドグラスを完成させます。それまでガラスで製作されていたステンドグラスにプラスチックを採用し、7年がかりで画期的な大壁画「天地創造」を完成させました。また、夫婦は、ルネサンス期のイタリア貴族や権力者に愛された、幻の芸術「金唐革」を70年にも及ぶ研究の中で、日本で蘇らせたのです。康乃さんは、金唐革の第一人者として、今もなお作品を作り続けています。

また、息子の竜生さんもこの屋敷で、ステンドグラスを製作しています。康乃さんの金唐革の型を生かしたガラス作品も製作する一方、 近年では、板ガラスを活用し「フュージング」という加工技術で、古代ガラスからインスピレーションを受けた、神秘的な光を放つ作品を生み出しました。

悠久の美に魅せられた二人の作家、康乃さんと竜生さん。親子であり、互いにアーテイストとして刺激を受ける存在です。また、金唐革とガラス。ジャンルは違えども時代を超えて、なお光を放つ、美の世界を追い求める姿を紹介します。


【INFORMATION】
チェリデザイン工房
〒616-8125
京都市右京区太秦組石町2-2
TEL:075-864-9566
FAX:075-864-9567
URL:http://web.kyoto-inet.or.jp/people/celli/

日曜休・要予約 ※緊急事態宣言中の、一般見学不可