画家・伊藤若冲 #20 2016年09月11日(日)放送

観る者に異様なエネルギーをさらし、濃密なディテールで迫ってくる天才絵師、伊藤若冲。
1716年、京都錦市場の青物問屋の長男として生まれた彼は、一度家業を継ぐものの、商売が嫌で40歳のときに弟に家督を譲り、画の制作に専念するようになりました。

彼が生きた江戸中期の京都は、決められた画だけを描く時代から、画家の個性で勝負する時代へと転換期を迎えていました。
好きなときに好きなだけ、好きな題材で画を描く新しいスタイルの画家となった若冲。しかし他人が描いた画から学ぶのは限界があると感じた彼は、やはり自分の目で見たものを描かなければ自分の世界は創れないと感じ、とにかく題材の観察を続け、その目にイメージを焼き付けたと言います。

細部の色と形、ダイナミックな動き、体温、強さ、弱さ、喜び、悲しみ、そして生と死・・・。ひたすら動植物と向き合い、生命の輝きを描き続けた若冲は2016年、生誕300年を迎えます。

京都知新オススメの京都 職人&工房 体験