「京都知新」は、1200年に渡り受け継がれてきた京都文化の「動」=「新」の部分に光をあて、
「京都を温(たず)ねて新しきを知る」番組です。

京都で活躍する、アーティスト、職人、伝統芸能伝承者、料理人などへの取材を通して、
現在進行形の「京都」を浮き彫りにします。

毎週日曜 あさ6時15分~6時30分OA
(関西ローカル)

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「山城萱葺」・山田雅史

2025年09月21日(日)放送

#472 「山城萱葺」

山田雅史

京都・伏見区の宇治川河川敷で毎年冬に行われるヨシ刈りの風景。
葦(ヨシ)は、川や湖、沼など、水辺が多い島国日本のいたる所で群生していたので、古来より神社の茅の輪や民家・茶室の茅葺屋根の材料として使われてきました。

今回の主人公は、宇治川のヨシ原を四代に渡り守り、茅葺屋根の工事も行う「山城萱葺(やましろかやぶき)」棟梁 山田雅史さんです。

この夏、山田さんはおよそ250年前、若狭と京都を結ぶ鯖街道沿いに建てられた民家、「日下部式部家住宅」の葺き替え工事を任されていました。

茅の根元を下に向けて葺く「真葺(まぶき)」という方法で、一本一本交わらないよう50センチほどの厚みに敷き並べ、「たたき」とよばれる専用の道具で、押し込むように均し、並べた茅を竹で押さえ、縄で屋根に固定します。屋根の上と下、職人二人による息を合わせながらの作業です。

こうした茅葺の技術は、日本建築における伝統の技の1つとして、2020年 ユネスコ無形文化遺産に登録されました。

自然と調和し、人々の生活に寄り添ってきた茅葺屋根の文化。
しかしながら、生活の近代化が急速に進むに連れ、その姿は失われつつあります。

「未来にも茅葺があった方が豊かである」
山田さんは様々な取り組みを通して、その技術を継承し、伝えていくことの大切さを説いています。それは、自然と人間の営みの絆を守り続けることなのです。



【INFORMATION】
●山城萱葺
HP:https://yamashiro-kayabuki.co.jp/

●日下部式部家住宅
・京都市 文化市民局 文化芸術都市推進室 文化財保護課ページ
https://kyoto-irodoru.city.kyoto.lg.jp/kitaku/kusakabeshikibuke.html
・Arts Aid KYOTO/日下部(式部)家住宅 茅葺き屋根・葺き替えのご支援を
https://congrant.com/project/kyotoart/17429

●宇治川のヨシ原を守るネットワーク
HP:https://ujigawa-yoshihara.jimdofree.com/

●禅定寺
HP:http://zenjyoji.jp/