「京都知新」は、1200年に渡り受け継がれてきた京都文化の「動」=「新」の部分に光をあて、
「京都を温(たず)ねて新しきを知る」番組です。

京都で活躍する、アーティスト、職人、伝統芸能伝承者、料理人などへの取材を通して、
現在進行形の「京都」を浮き彫りにします。

毎週日曜 あさ6時15分~6時30分OA
(関西ローカル)

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次回予告

製本職人・松田努

2025年07月06日(日)放送

#461 製本職人

松田努

今回の主人公は、製本の世界に入って60年あまり、京都市北区に工房を構える製本職人の松田 努さんです。
製本は、紙をひとつに綴じて、形にする読まれる前の最後の仕上げです。松田さんは、その仕事を手しごとで行っています。最近は、本の中身はそのままで新たな装丁を施す修理製本が、主な仕事です。大学の多い京都では、古く貴重な論文を綴じ直す要望が多く、機械ではできず、手しごとで行っています。
依頼は、その他個人からも、あります。どんな思いがあり、どんな風に仕上げたいのか、依頼主の心に寄り添った聞き取りをしてから、仕事をはじめます。
修理製本の工程は、10あまり。使用される道具は、師匠から譲り受けたもの。
松田さん曰く、職人にとって難しく美しい仕事が、箔押しです。表紙にタイトルや名前を刻み込み、最後の仕上げです。この出来が、本の顔を左右します。
今では作ることが難しい活字を拾い、並べます。高温で箔を熔かし、活字と一緒に本の表紙に押し付けます。一発勝負。微妙な力の入れ具合、職人の腕が試される瞬間だそうです。
松田さんの新たな取り組みは、製本のワークショップ。製本の仕事を知ってもらい、体験を通じて、つくる魅力を感じて欲しいという想いからです。参加者のほとんどが、外国人観光客。海外の人々のセンスは、松田さんの枠を取り払って新たなアイデアをもたらしてくれるといいます。ワークショップをプロデュースしたのが、娘の洋子さんです。
ワークショップで使われている表紙は、京友禅作家の大村幸太郎さんのもの。
実は捨てられるはずだったテスト染めの生地。アップサイクルです。
更に、松田さんの元に海外から、400年以上前にパリで出版された本の修理依頼がきました。修理ができるのは、松田さんと託されたのです。
海外とは修理方法が違う中、製本職人として松田さんの新たな挑戦の旅がはじまります。



【INFORMATION】
HP(松田製本製作所)
https://www.matsudaseihon.com/