国家の嘘と報道の任~北朝鮮帰国事業65年~(仮)
かつて「地上の楽園」と呼ばれた国がある。その言葉を信じ1959年から1984年の間に9万人以上の人たちが、北朝鮮に渡った。だが実際は「地上の楽園」の生活とは程遠く、食うに困る生活を強いられることに。帰国者には、およそ1800人の日本人妻がいて、大阪、八尾市に住む斉藤博子さんは「3年したら日本に帰ることができる」と説得されたそうだ。だが、困窮した自由のない生活を強いられ、6人いた子どものうち4人と夫は、餓死や病死で失うつらい経験をした。
斉藤さんたち4人は「北朝鮮に騙されて人生を狂わされた」として2018年、北朝鮮政府を相手に損害賠償を求めて裁判を起こす。東京地裁では除斥期間を理由に敗訴したが、去年に東京高裁は、出国させずに留め置いたことに関しても日本で裁判ができ時効ではないとして東京地裁に差し戻し、いまは裁判の再開を待つ日々だ。
帰国事業を巡っては当時、マスコミが好意的にとらえ、実際に訪朝団として訪れた新聞記者たちが好意的に報じたことも帰国事業をあと押ししたと指摘されている。なぜ、「国家の嘘」を見抜くことができなかったのか。当時、記者だった人たちからの証言を得て「報道の任」を再確認する。
ハサミの先には何がある?~発達障害の子どもと共に~(仮)
「チョキチョキ、いやだー!」
発達障害のある子どもの中には散髪が苦手という子がいる。感覚や聴覚の過敏、ハサミが怖い・・・など理由は様々だ。
京都市伏見区で美容室を営む赤松隆滋さん(50)は14年前から発達障害の子どもたちの散髪を始めた。「ほんの少しの工夫と配慮で必ず切れるようになる」と赤松さんは言い切る。
今では「スマイルカット」と名付け、赤松さんの元には相談に訪れる人が絶えない。
2022年12月、初めて赤松さんの店に訪れたのは5歳のげんきくん。行ったことのない場所が苦手な彼はこの時、車から降りることさえできなかった。
「迷惑かけて、すみません」と肩を落とす母親の千明さんに、赤松さんは「無理やり連れて来てもダメ、ちょっとずつやりましょう」と言葉をかけた。
「どこに行っても謝ってばかりだった」と話す千明さんも気持ちが少し楽になった。
時間と共に少しずつげんきくんと赤松さんの距離が縮まっていく。
1本のハサミが繰り出す親子の変化と赤松さんの活動を伝える。
受賞のお知らせ
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第61回ギャラクシー賞奨励賞受賞
『映像'24 記者たち~多数になびく社会のなかで~』
(2024年3月3日放送)
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第61回ギャラクシー賞テレビ部門入賞
『映像'24 労組と弾圧~関西生コン事件を考える~』
(2024年3月31日放送)
最近の主な受賞から
- 第61回ギャラクシー賞テレビ部門入賞『映像'24 労組と弾圧~関西生コン事件を考える~』(2024年3月31日放送)
- 第61回ギャラクシー賞奨励賞受賞『映像'24 記者たち~多数になびく社会のなかで~』(2024年3月3日放送)
- 第31回坂田記念ジャーナリズム賞受賞『映像'23 小児性犯罪~当事者たちの証言~』(2023年7月30日放送)
- JNNネットワーク協議会賞受賞『映像'23 小児性犯罪~当事者たちの証言~』(2023年7月30日放送)
- JNNネットワーク協議会賞受賞(地域・環境番組部門)『映像'23 限界ニュータウンと言われても~住民自治を生きる人々~』(2023年9月24日放送)