京都アニメーション放火殺人事件の裁判は2日目。6日の証拠調べでは、青葉被告の家族、母親や兄などの供述調書を検察官が読み上げました。

(母親の供述調書より)
「真司は小さい頃は可愛いらしい、元気で活発な子だった。友達も作ることもできていた。家事を手伝って、得意げに自慢してくれることもあった」「夫(被告の父親)と離婚した際、親権は夫に渡り、3人の子どもとは10年以上会うことはなかった」

こうして母親の元を離れてからの生活は、青葉被告の兄の供述調書で明かされました。

(兄の供述調書より)
「真司が小学3年の頃に両親が離婚し、子ども3人は父に引き取られた。その頃から父のしつけが厳しくなり、冬に私と真司がベランダに立たされ、水をかけられたこともあった。ただ、私と真司の体が大きくなると虐待のようなことはなくなった」
「真司は埼玉県立高校の定時制課程に入学し、日中は県庁で文書整理の仕事をしていた。定時制高校の授業は休まなかった。真司が体調不良の時に『バイクで送ってくれ』と言ってきたのでバイクに乗せて行ったほどだった」
「カラオケに一緒に行くと、真司は女性のキャラクターや女性の声優が関連するアニメソングを歌っていた」

「性格は父親そっくり」青葉被告は頭を小刻みに揺らす

厳しかったという父親が1999年に死亡。その後、2007年に別の事件で有罪判決を受けた青葉被告は、再び母親と暮らすことになりました。

(母親の供述調書より)
「執行猶予が付いたので、真司は私と、私の再婚相手が住む家で暮らすようになった。ある日、再婚相手と真司が口論になり、再婚相手が『お前に夢はないのか!』と問うと、真司は『罪を犯した身だから夢なんて持っていない!』などと大声でまくし立てた。その後、真司は部屋に引きこもるようになった」
「ある工場での勤務も数か月で辞めたが、真司が言った理由は『周りの作業員の作業スピードが遅くて嫌になった』だった。他の人のせいにする性格も元夫譲りだと思った」
「真司が2012年にコンビニ強盗を起こした際、部屋の捜索に立ち会ったが、壁に穴が空いていて、パソコンが壊れていました。家に金づちがあったので、これで穴を開けパソコンを壊したのだと思った。また物に当たったのかと思いました」

法廷の青葉被告は、母親の調書の中で「青葉被告の性格は父親にそっくりだ」とする部分が読み上げられると、頭を小刻みに揺らす様子が見受けられました。