36人もの命が理不尽にも奪われた京都アニメーションの放火殺人事件。発生から4年あまりを経てついに始まった裁判で、青葉真司被告(45)は何を語ったのでしょうか。
9月5日、検察官が起訴状を読み上げた後の注目の罪状認否。
(裁判官)「起訴状の内容に間違いありませんか?」
(青葉被告)「起訴状に書かれていることは私がしたことに間違いありません。事件当時はそうするしかなかったと思っていて、たくさんの人が亡くなるとは思っておらず」
青葉真司被告は消え入りそうな声で起訴内容を認めました。弁護側も青葉被告の犯行は認めたものの、「被告は当時、善悪を判断し行動を制御する能力が完全に失われていた心神喪失状態だったため無罪だ」と主張。「そうではなかったとしても、善悪を判断する能力が著しく低下していた心神耗弱状態だったため刑は軽くされるべきだ」と訴えました。
具体的には、アニメ監督のブログやテレビに放映されていた京都アニメーション作品を見て「自分のアイデアが盗まれている」という妄想に取りつかれたことなどが犯行につながったと指摘しました。
これに対して検察側は冒頭陳述で次のように述べました。
(検察側)「精神状態が犯行に影響したのではなく、被告のパーソナリティが現れたもので、完全責任能力がある。筋違いの恨みによる復讐だ」
その上で検察側は「両親の離婚や父親からの虐待、貧困などを背景に、独りよがりでうたぐり深い性格が形成されて、人間関係にも嫌気が差していった」「人と関わらずに身を立てられる小説家を目指し京アニ大賞に応募するも落選したことで、渾身の小説を盗まれたと一方的に思い込んだ」と陳述しました。