殺人などの罪で起訴された青葉真司被告の初公判が9月5日10時半から始まり、青葉被告は「私がしたことに間違いありません」と起訴内容を認めました。また、被告の弁護人は「心神喪失だった」として無罪を主張しました。

 9月5日午前8時すぎに大阪拘置所を出発した車は、開廷の30分ほど前の午前10時すぎに京都地裁に到着。厳重な警備体制がしかれ物々しい空気が現場に漂いました。

 起訴状によりますと、青葉真司被告(45)は2019年7月18日、京都市伏見区の京都アニメーション第1スタジオに放火して36人を殺害し32人に重軽傷を負わせた罪などに問われています。青葉被告自らも大やけどを負い、逮捕された3年前は寝たきり状態だったことから、法廷にどのような姿で現れるのかも注目されていました。

 初公判は予定の午前10時半より少し遅れて始まり、青葉被告は上下青のジャージを着て、髪は短く丸刈り、マスク姿で車いすに乗って法廷に現れました。青葉被告は「間違いありません」と起訴内容を認め、「事件当時はそうするしかなかったと思っていて、たくさんの人が亡くなるとは思わなかった」と述べました。

 4年を経て行われる裁判、ご遺族の方も傍聴しています。5日朝、その1人が今の思いを話してくれました。

 (寺脇(池田)晶子さんの夫)「やっと始まったかなっていうのが。きちっと見て聞いていかなあかんなという気持ちですね。『何でこんなことしたん?』って。可能なら反省しているのかどうなのかっていうことも聞きたい」

 こうした中で始まった裁判。検察側は冒頭陳述で「幼少期に両親が離婚したことや父親による虐待などから独りよがりでうたぐり深い性格になった」と触れました。さらに、京都アニメーションに小説を応募したものの落選し、その作品が盗用されたとして筋違いの恨みを持った「被告のパーソナリティが現れたもので完全責任能力がある」と指摘しました。

 一方、弁護側は「心神喪失」だったので無罪、仮に「心神耗弱」だったとしても刑は減軽されるべきと主張し、「被告にとってこの事件は被告の人生をもてあそぶ人物への対抗手段で反撃だった」などと主張しました。

 裁判は午後0時30分現在も続いています。