2019年に36人が犠牲になった京都アニメーションの放火殺人事件で、殺人などの罪で起訴された青葉真司被告の初公判が9月5日に始まり、被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

 青葉被告は事件で全身やけどを負い、2020年5月に逮捕された際はストレッチャーに横たわった状態でしたが、5日の初公判では車いすに座り、上下青のジャージ姿で午前10時33分ごろ法廷に現れました。

 裁判の冒頭、小さな声で名前や生年月日などを答え、署名の際にはやけどで固まった5本の指でペンを握っていました。検察官が起訴状を読み上げた後、認否を尋ねられると、「私がしたことに間違いありません」「事件当時はそうするしかないと思っていた」「たくさんの人が亡くなるとは思っていなかった」などと述べました。この際も声は非常に小さく、裁判長から聞き直される場面もありました。

 弁護側は事実について争わないとしたうえで、青葉被告は心神喪失だったため無罪、あるいは無罪でないとしても心神耗弱のため減軽されるべきだと主張しています。

 一方、検察側は冒頭陳述で青葉被告に完全責任能力があるとしたうえで、「筋違いの恨みによる復讐」などと指摘しました。

 関係者によりますと、今後の審理は事件を起こした「動機と経緯」、青葉被告の「責任能力」、そしてどれほどの「量刑」を科すか、という3段階に分けて進められるということです。裁判は予備日を含めて32回・計143日間にも及びます。事件から4年、青葉被告の口から何が語られるのか注目されます。