13か所の市立幼稚園を4つに統廃合する条例案。7月7日の議会で否決されました。

 今年6月25日、大阪府富田林市の吉村善美市長らが出席して、「説明会」が行われました。保護者が怒りを露わにしているのは、市立幼稚園の統廃合問題についてです。

 (保護者)「東西南北に分ける、納得できる答えがほしいんですけど」
 (吉村市長)「そこは地域的に4分割するということでそれぞれ…」
 (保護者)「4分割の中に(北部に)2園あったらあかんのですか?」
 (吉村市長)「“20人が適正規模だ”ということで…」

 市は今年5月、市内に13園ある市立幼稚園(※3園は休園中)を、2026年度に4つの園に統廃合する方針を示しました。市は、子どもにとっては「1クラス20人が適正」だとし、統廃合で年間9000万円が削減できると説明。しかし、保護者らは、“市民の意見を聞くパブリックコメントの締め切り翌日に、もう統廃合を推し進める条例案を議会に提出し、市民の声を無視している”などとして、計画の見直しを求める署名を提出していました。

 そんな中、6月27日に開かれたこの条例案を審議する総務文教委員会では、維新や公明党などの議員の賛成多数で可決。

 ところが7月7日の市議会で…。

 【7月7日の富田林市議会より】
 「反対を表明し、討論といたします」
 「本議案に反対するという結論に至った」

 6月27日の委員会で賛成した議員らが一転、続々と反対を表明。そして結局、誰一人賛成せず、条例改正案は全会一致で否決されました。

 (幼稚園の保護者 佐藤さん)
 「ほとんど諦めていたところがあったので、本当にうれしいです」

 委員会での賛成から一転、反対を表明した議員に話を聞きました。

 (大阪維新の会 酒本千紘議員)
 「手続き上の瑕疵(かし)が、プロセスとしてそこが大事というところも訴えておりましたので、そこができていないというところは、維新の会としても通してしまっていいのかとすごく悩みまして」

 否決を受け、吉村市長は次のように述べました。

 (富田林市 吉村善美市長)
 「非常に残念だなと思っております。市としてしっかりお伝えしましたが、なかなかご理解いただけなかった」