開幕まで2カ月を切った大阪・関西万博。そんな万博の大ファンである1人の女性、人呼んで“万博おばあちゃん”。地元の愛知県で開催された愛・地球博で万博にハマり、なんと閉幕までの185日の間1日も休まずに通ったそうです。開幕直前、強い意気込みで臨む“万博おばあちゃん”に密着しました。

人呼んで“万博おばあちゃん” 自宅にはとっておきのコレクションルーム!

 大阪・関西万博の会場近くに新たな駅が誕生した1月。ミャクミャクを手に、ひとりの女性が夢洲にやってきました。愛知県に住む山田外美代さん(75)。

 人呼んで『万博おばあちゃん』です。

 名古屋から東に車で40分ほどの愛知県瀬戸市。山田さんの自宅には、とっておきの部屋があります。

 (山田外美代さん)「ここは私の元気の源、万博ルームです」

 ずらりと並ぶのは世界各国の万博グッズ。その数は約4万点。
20250218_bannpakuobaachan-000136000.jpg 2015年イタリア・ミラノのソーラー充電器や、2008年スペイン・サラゴサの切手集のほか、2010年中国・上海万博のファッションメガネも。

 (山田外美代さん)「これをつけて中国館をまわりました」

『4回で元取れる』全期間入場券を購入した結果万博にドハマり!

 山田さんの万博デビューは1970年の大阪万博。4回通い、月の石や人間洗濯機などひと通り観てまわりました。

 そして2005年、地元・愛知で開催された愛・地球博では…

 (山田外美代さん)「全期間入場券。毎日入れます」

 4回通えば元が取れると、軽い気持ちで全期間入場券を購入。開幕から通ううちに万博にハマりました。

 (山田外美代さん)「パスポートもビザもいらないし、会場に入場券だけで入れる。それぞれの国で生まれたスタッフが来ているので、その国の特色や食事を聞いてもすごく伝わってくる」

 結局、閉幕まで185日間、1日も休まず足を運び、『万博おばちゃん』としてちょっとした有名人に。なかでも楽しかったのが、馴染みになった各国のスタッフとの交流だったといいます。

 (山田外美代さん)「私が毎日カタール館に行ったので、カタール館のオマルさんが最終日に(船の模型を)くれました。カタール国旗のバッジをつけてくれて。絵を描いていたベトナムの人が『きれいなバッグだね』って言って、ここに描いてあげると言って手描きしてくれたんです。もう20年もたっているのに変色しないのもすごいなと」

「本当に万博には助けられている」と語る山田さん 万博愛を家族も後押し

 当時、病気がちだったという山田さん。連日の万博通いで体力がついたのか、次第に体調もよくなりました。

 (山田外美代さん)「本当に万博には助けられて。どれみても思い出せるので。この部屋は病院以上ですよね」

 その後、海外の万博にも足をのばし、中国・上海や韓国・麗水では、現地に住み込んで期間中、毎日通い詰めました。

 前回のドバイ万博はコロナ禍での開催でしたが、現地に飛び大阪・関西万博のPRまでしてきました。

 (山田外美代さん)「大阪で会いましょうね。2025大阪・関西JAPAN」

 万博に熱中する山田さんに家族は…

 (夫・鐘敏さん)「万博があるから元気やで。いいんやない」
 (息子・和弘さん)「4月から76歳になるので、毎日行けないかもっていう不安は持ってると思うけど、ここまできたら毎日行かせたい気分はある」
 (夫・鐘敏さん)「応援したい」

80万円分のチケットを購入し準備は万端!

 2か月後に開幕が迫った大阪・関西万博。毎日通えるように、家族3人で約80万円分のチケットを購入しました。

 (山田外美代さん)「すみません老眼鏡もらっていいですか?」

 パビリオンの予約開始は、来場日の3か月前から。息子の和弘さんに手伝ってもらいながら毎日予約をとっていきます。

 (息子・和弘さん)「ようやく日本館出てきたので…どこがいい?住友館?」
 (山田外美代さん)「パソナ。じゃあ完了します。ばあちゃんでもできました。やったー」

 スマホを使って自分で予約をとるのは初めてです。

 (山田外美代さん)「こんなにいっぱい押さないといけないんだと自覚できました」

毎日通うため大阪に家を!山田さんが語る万博の魅力は?

 1月、山田さんは大阪・住之江区にいました。

 (山田外美代さん)「大阪で万博に行く拠点にする住居です」

 『万博おばあちゃん』の異名をとる山田外美代さん。万博に毎日通うため、大阪に家を借りました。玄関を入ればたくさんのミャクミャクが出迎えてくれます。

 (山田外美代さん)「一番好きなのはおしりのところのこれ(尻尾部分)。気持ちが悪そうなのにプルプルってするとめちゃめちゃかわいい」

 見つける度に買っているというグッズは、すでに100点以上あるといいます。

 この家に決めた最大のポイント。それはベランダから見える景色でした。
20250218_bannpakuobaachan-000722501.jpg (山田外美代さん)「あの先に見えているのわかりますか?船の向こうに」

 万博のシンボル『大屋根リング』を眺めて暮らしながら、会場に通う予定です。

 (山田外美代さん)
「近くに住んで、そんなにお金使ってとかいろんなこと言われるけど、私ならではの万博のあり方」

 「(Qなにが楽しみ?)スタッフに会えること、おいしいものが食べられること、朝から夜までいろんなイベントを実体験できること。知らなかった国がそんなことしてるんだとか、私たちが偏見を持って見ていたなとか考えも変わります」