面司 如意ノ坊三世 能面師 北沢美白 #183 2020年01月19日(日)放送

室町時代に観阿弥、世阿弥親子によって大成されたと伝えられる「能楽」。江戸時代には、武家のみならず、大衆の嗜みとしても広まり、六百年以上、受け継がれてきました。
能面は、「オモテ」と呼ばれ、魂の宿る神聖な道具。能楽師が顔にかけ、舞うことで、能面に命が吹き込まれていきます。

そんな能の世界に、煌く彗星の如く現れた人物がいます。能面師北沢美白さんです。
愛知県出身の北沢さんが能面に出会ったのは、大学の4年生の時。元々、芸術に興味を抱いていた北沢さんは、東京・銀座のギャラリーでグラフィック系アートの個展を開きます。偶然そこに足を運んでいた、先代 北沢元白氏に声をかけられます。
「もしかしたら君の探しているものがうちにあるかもしれない」と言われ、師匠宅で、先先代・北沢如意の作品を手に取ったところ、白黒だったものがフルカラーに見え、インスピレーションが湧いてきたという。

現代の人たちの心を打つ能面とはなにか。北沢さんは、新たな試みに挑戦しています。
2019年11月。上京区の寺10箇所で同時開催されたアート展、京都「まるごと美術館」。北沢さんは、美人画で有名な鶴田一郎さんとコラボレーションし、作品を展示しました。
「まず最初にきれいだなと思ってもらうところから興味をもってもらいたい。伝統として受け継がれてきた能楽とか能面の美しさというのを自分本位に歪めてしまわずに、受け継いだものをそのまま美しい姿のまま現代へ継承していきたい。」そんな思いをもつ能面師を紹介します。

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