情熱大陸

シンガーソングライター・俳優 Vol.1361

岡崎体育

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07.13(日)

よる11:15

マルチな才能の原点はどこに?
劣等感と怒りから また曲が生まれる

ユーモラスな言動に少し野暮ったい癖っ毛、一度見たら忘れられない体躯......。メガバンクのCMやバラエティ番組への出演、さらには日曜劇場での俳優仕事など、その活躍は今や本業の音楽だけではなく多岐に渡る。神出鬼没、いろんな場面でよく見かけるけれど、一体この男は何者なのか?それが取材の出発点だった。
しかし密着が始まると、当初の目論見は崩れる。サービス精神に溢れる岡崎体育は、いつでもどこでも「ちょけて」いた。ライブ会場に入って真剣に声出しを始めたかと思えば、「普段は全然しない。テレビ用っす」ととぼけてみせながら、しかし客席をキッチリと盛り上げる。緊張感漂う日曜劇場の控え室でも、野球選手のモノマネに興じつつ本番は一発OK。ナゾは深まるばかりだった。
「ここ数年、曲を作るパワーがすごく落ちたんですよね」。不意にそんな言葉がこぼれたのは、京都・宇治の実家で卒業文集を眺めている時のこと。なかなか芽が出なかった下積み時代から、なぜ自分は評価されないのかという"劣等感"や"怒り"を原動力に音楽を作り続けてきた。2016年のメジャーデビュー直後に、ミュージックビデオのあるあるを歌った「MUSIC VIDEO」が1千万回再生を超える大バズり(現在は4,900万回超)。3年後には念願だった「さいたまスーパーアリーナ」での単独公演も果たした。
世間に認知された今、楽曲を作ればある程度は売れ、評価もされる。行き場を失った怒りと、これでいいのかという焦りが、思いがけない言葉の真意かもしれなかった。
ドラマの撮影やレギュラー番組の仕事をこなすせわしない日々の中、岡崎が挑んだのは24時間で曲を作り上げるという合宿。夜を徹して音楽と向き合う横顔には、現状を打破しようともがく男の覚悟がのぞいた。お披露目の場は、異例の9日間連続ライブ。新たに生まれた曲の歌詞は、こう始まった。
「I'm a 一般、I'm a 一般人...」

okazakitaiiku

1989年7月3日生まれ。本名・岡亮聡。母が「Queen」の追っかけだったこともあり、幼少期から音楽に興味を持ち、中学2年生の時にニンテンドーDSのゲーム「大合奏!バンドブラザーズ」で作曲を始める。同志社大学を卒業後、一般企業へ就職するも、音楽への夢を諦めきれず半年で退職。「岡崎体育」名義での活動を始める。2016年にアルバム「BASIN TECHNO」でメジャーデビュー。収録された「MUSIC VIDEO」は、軽快なメロディに乗せた“ミュージックビデオあるある”とMV映像が大きな話題を呼び、第20回文化庁メディア芸術祭で「エンターテインメント部門新人賞」を受賞。19年にはデビュー以前からの目標であった、さいたまスーパーアリーナでの単独公演を行った。俳優としても朝の連続テレビ小説『まんぷく』や大河ドラマ『どうする家康』などの話題作に出演。7月からはじまる日曜劇場『19番目のカルテ』でも麻酔科医役として出演中。たまの休日はフットサルとテレビゲームに勤しむ36歳。

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