逆境が磨き上げた多彩なスパイク!
日本女子を牽引するキャプテンの覚悟
「私、優柔不断ですよ」
日本女子のエースの、意外な自己評価。力強いスパイクを打ち込む姿からはとてもそうは見えないが、石川真佑はいつも相手の狙いをかわすことで得点を重ねてきた。
ポジションは攻守の要、アウトサイドヒッター。強豪の高校で1年から活躍し、3年の時には主将で2冠に輝く。Vリーグでも結果を残した。3年前からはイタリア・セリエAに籍を置く。身長174センチは、同じポジションの平均より10センチ以上低い。上背がないからこそ、多彩な技を磨いてきた。
華々しいキャリアだが、一歩前には常に兄がいた。日本史上最高の逸材ともいわれるあの石川祐希。これまで「石川の妹」と紹介されることも少なくなかったが、26歳の今、己の道を確かなものにし始めている。
去年、日本代表のキャプテンに就任。全体合宿が始まるよりも前にトレーニングセンターに入って調整に励む姿には、背中で引っ張るリーダーの覚悟が見える。チームを率いるのは容易くないが、同じくイタリアに挑戦する1つ年上の関菜々巳(代表副キャプテン、セッター)とは、オフに食事をする仲。お互いを尊敬しつつも軽口を叩き合えるような仲間の存在が、石川を支えている。
目下の目標は、世界最高峰の国際大会「ネーションズリーグ」での2大会ぶりのメダル。もちろん楽な戦いではない。「今のままでは勝てないし、その後のアジア選手権も難しい」
鍵を握るのが、「ハイセット」だという。レシーブが乱れ、山なりに上がったボールをスパイクにつなげる技術が、石川は抜きん出ている。
「バレーボールが、大好きだから」。ピンチをチャンスに変え、石川真佑が日本を高みに引き上げる。
Mayu Ishikawa
2000年5月14日、愛知県岡崎市生まれ。
5歳上の兄は男子日本代表キャプテンの石川祐希。
中学で親元を離れ、名門下北沢成徳高校では1年からレギュラーとして活躍し、春高優勝。3年では主将として高校2冠を達成。
2019年に東レアローズに入団、2022-23シーズンには日本人の最多得点記録を更新。2023年からイタリア・セリエAに挑戦し、フィレンツェで1シーズン、ノヴァーラで2シーズン戦い抜いた。ノヴァーラでは欧州強豪が集まるCEVカップで優勝し初タイトル獲得。来シーズンはトルコ1部のエジザジュバシュへ移籍。
日本代表初選出は2019年。東京とパリ五輪に出場し、2025年からキャプテンを務める。
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