
足りなかった「あと1点」を求めて
新生ニッポンが、世界を驚かせる
国内での試合チケットは即完売。試合を終えても、鈴なりのファンが待ち受けている。アイドルさながらの人気はタイやフィリピンなどアジア圏にも広がってきた。個性豊かなキャラクターに加え、熱のこもったプレーが観る者を驚嘆させている。
東京オリンピックでベスト8、去年のネーションズリーグで2位と、世界トップレベルに成長してきた。その中で迎えたパリオリンピックでは52年ぶりのメダル獲得が期待された。ベスト4進出をかけたイタリア戦・・・2セットを先取し、第3セットも24対22のマッチポイント。だが、そこから試合をひっくり返されて惜敗。届かなかった1点。勝負の場面でトスを託されたのがキャプテンの石川祐希だった。
間もなくフィリピンで開幕する世界選手権。石川は昨シーズン、世界最高峰イタリアセリエAの強豪ペルージャで各国の代表と共に汗を流した。日本人として初めて、ヨーロッパNo.1の栄冠にも輝いた。豊かな経験と自信を携え日本代表をけん引する。
石川と並び日本バレーボール界の象徴とも言える髙橋藍。圧倒的なパフォーマンスでファンを沸かせ、コートを出れば自ら広告塔となり裾野拡大に奔走してきた。
パリで最後の1点を取るために石川にトスを託したセッター、関田誠大。次なるステージを見据えて、足首の手術を決断した。そこにあるのは、どこまでも上を目指し、世界に勝ちたいという純粋な思い。
少年時代に石川や高橋をテレビで見ていた甲斐優斗は21歳。2メートルの長身で、次世代のエースと期待されている。寡黙な青年が放つジャンプサーブは、日本の大きな武器になるだろう。
東京オリンピックで母国フランスを金メダルに導いたロラン・ティリを監督に迎えた新生日本代表が、いま直面する課題はセッターとスパイカーのコンビネーションだ。同じシチュエーションが二度とないバレーボールにおいて息を合わせることは、一朝一夕にかなうものではない。
悲願の世界一へ、さらなる高みを目指す日本代表の姿を追った。

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