行列が絶えないとびきりのバゲット!
パンを愛しパンに愛された孤高の職人
「しゃべりかけんといてもらえますか」
深夜2時。開店前の作業にカメラを向けようとしたら、ドスの効いた関西弁でそうたしなめられた。一人黙々と仕込みを行うパン職人・玉木潤にとって、一番集中したい時間帯なのだ。
京都府宇治市の住宅街という立地にかかわらず、店には行列が絶えない。開業から四半世紀。1日平均600人の客が訪れ、6,000個が売れる。並ぶのは、10パターンの生地から派生させた約100種類のパンだ。宮崎地鶏が入ったパンには、食感をプラスするため京都の「ぶぶあられ」が。リボン型のクロワッサンは、溶け出して飴状になった砂糖のパリパリとした食感が持ち味だ。お惣菜系も多いが、真骨頂はバゲット。生地の風味の虜になったお客が遠方からも訪れる。
玉木はほとんど自宅に帰らず、店の2階に寝泊まりしている。すべては、生命線ともいえる生地作りのため。食パンだけでも4種類の種(タネ)を使い、コクやもちもち感を生み出していく。こねる速度、時間、温度管理も、商品ごとに細かな基準がある。焼き色や膨らみ、香りに全神経を研ぎ澄ましている時に、話しかけられては困るのだ。
58歳。ずっと一人でパン作りを続けてきた玉木がある日、おもむろに切り出した。「お前たちのオリジナルのパンを作ってもらいたい」。創業25年の記念日にスタッフのオリジナルパンをお披露目させようというのだ。生地から任せるのは初めてのこと。玉木に憧れ、店の門をたたいた4人が挑戦することになった。
「師匠に認められるパンをー」試行錯誤を重ねる弟子たちを見つめる孤高のパン職人には、ある思いがあった...。
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