口癖は「私、何も考えてないんです」
シリアスな演技が話題 “めるる”の実像
モデルだった17歳の時、その天真爛漫さをバラエティ番組に見出された。"めるる"というニックネームのほうが本名よりも馴染みがある。
最近は特に、ドラマや映画での活躍が目覚ましい。イメージを脱ぎ捨てたようなシリアスな芝居。「これがめるる?」という驚嘆がネットニュースをにぎわせる。20歳で挑んだ初主演映画では日本アカデミー賞新人俳優賞に輝き、話題作からのオファーが次々と舞い込む。
モデル、タレント、俳優。3つの自分を軽やかに行き来するが、それぞれのギャップは大きい。その芯に何があるのか―
取材を始めたのは去年4月。顔合わせにやってきた生見は、どこかカメラに怯えたようで、我々ともあまり目が合わなかった。
「私で面白いのかなって。本当に普通なので...」
極度の人見知り。外食はいつもマネージャーと2人で、共演者やスタッフでさえも10日以上会わないと関係がリセットされてしまうという。
ドラマの撮影現場で目にした一面に驚かされた。
クライマックスのシーンを前に緊張する様子もなく、スマホでその日のランチ選び。かと思えば、本番では3分半もの長台詞を、台本にはない涙まで流して一発OK。どれぐらいかけてセリフを覚えるのかと尋ねると、「移動中に5分~10分あれば。夜ご飯に食べるインスタントラーメンをモチベに頑張りました」と笑顔で答える。
新作映画の現場にも密着。音楽の才能溢れるヒロインを演じるため、1年半かけてギターと歌を特訓したという。OKを重ねていく様子を我々もそばで取材するのだが、役へのプレッシャーかそれともまだこちらに人見知りしているのか、2か月間の撮影の終わりごろには生見との距離は出会った日よりも遠く感じられた。本人にふと聞いたことがある。
「この数か月で、自分を何%ぐらい見せてくれましたか?」「マイナスです...」
他人にめったに心を開かないという24歳は、地元の親友にすら上京を伝えていなかったという。取材期間中、その親友たちと2年ぶりに食事をした。その場で、当時の生見が密かに抱いていた決意を明かした。映画のクランクアップで溢れ出した感情には、寂しがり屋な自分と戦いながらも愚直に走り続けてきたこれまでが滲んでいたのかもしれない。
「今後も3刀流を続けるのか?」そんな問いにも「わかりません。マジで何も考えてないんです」
本音なのかはぐらかされているのか。曖昧な笑顔の奥では、未来を見据えているようにも見えた。
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