大阪・西成区。日雇い労働者の街で知られる「あいりん地区」で坂本慎治さん(35)は生活困窮者の居住支援を続けている。アクの強い関西弁と往年のアイドルを彷彿とさせる坂本さんの顔と名前はネットなどで知られるようになり、全国から相談者がやってくる。職を失った人、虐待を訴える人、出所した人。共通しているのは、全員"家を失った人"であることだ。
坂本さんは18歳で不動産会社に就職し、10年前に独立。NPO法人を立ち上げ、西成で"居住支援"を始めた。きっかけは会社員の時に出会った女性だった。夫のDVから逃れるため家を借りたいと懇願するが女性の"家探し"は難航した。保証人や敷金の工面、大家との交渉など求められる課題の多さに直面した。一方で、「住まい」を得ることで人は新たな一歩を踏み出せるはず...住まい探し人として生きる坂本さんの原点だ。
これまで住まいを提供したのは3000人以上。相談を受けるとまず話を聞き、居住支援につなげていく。定期訪問も欠かさない。なかには家賃を払わず飛ぶ(逃げ去る)人もいるが後の処理にも慣れた。坂本さんにとって、住まいを得た人が立ち直っていく姿を見ることが生きがいのひとつなのだ。
今年1月、坂本さんのもとに1本の電話がかかってきた。20歳の青年だった。寮を追われ、夜の街を彷徨っているという。坂本さんは、すぐに車を走らせた。大丈夫。家さえあれば、何とかなる――。
月1回、それも日曜日深夜の放送という地味な番組ながら、ドキュメンタリーファンからの根強い支持を頂いており、2020年4月で放送開始から40年になります。
この間、番組は国内外のコンクールで高い評価を受け、芸術祭賞を始め、日本民間放送連盟賞、日本ジャーナリスト会議賞、更にはテレビ界のアカデミー賞といわれる国際エミー賞の最優秀賞を受賞するなど、輝かしい成果を上げてきました。また、こうした長年にわたる地道な活動と実績に対して、2003年には放送批評懇談会から「ギャラクシー特別賞」を受賞しています。
これからも「地域に密着したドキュメンタリー」という原点にたえず立ちかえりながら、より高い水準の作品をめざして“時代を映す”さまざまなメッセージを発信し続けてまいります。