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協同労働で支える命(仮)

利潤追求が優先される現代。私たちの命や暮らしに寄り添う「エッセンシャルワーク」が過酷な労働環境に晒され、地域に不可欠なケアの仕事が静かに姿を消しつつある。

「温かい地元の環境で、家族とともに赤ちゃんを迎えたい」――
女性たちの願いを守るため、滋賀県東近江市に共同助産所「お産子の家」が立ち上がった。背景にあったのは、24時間体制で命を預かる個人助産院の限界と、高齢化による相次ぐ閉業という地域の危機だ。そこで30代から70代の助産師8名が手を取り合った。

彼女たちがたどり着いたのが、「協同労働」という働き方だった。株式会社では不採算分野が切り捨てられるリスクがあり、NPO法人でも現場に議決権がなければ労働環境が脅かされる危険がある。
「現場が尊厳を持って働けなければ、地域のケアは崩壊する」。そうした危機感から、2022年施行の法律に基づき「労働者協同組合」の法人格を取得。全員が出資し、対等に話し合って方針や給与を決める道を選んだ。主体的に命と向き合えるこの場所は現在、年間200人以上の母子が通う地域の拠り所となっている。

この取り組みは高齢化社会を支える介護の現場にも広がる。東京都墨田区の「あゆみケアサービス」では、17人の介護士が「協同労働」で働く。人手不足で効率が優先されがちな業界にあって、施設でなく「自宅で最期を迎えたい」と望む独居高齢者に寄り添い、地域福祉のセーフティネットを守り続けている。

コスパやタイパが最優先される社会で、出資・経営・労働を共にする「協同労働」は、働く人々を守り、私たちの人生を支える新たな選択肢となり得るのか。「お産」と「介護」の現場から、人間らしく生きるための「新たな連帯」を見つめる。

次回の放送

11月29日(日) あさ 5時00分放送

協同労働で支える命(仮)

番組について

真夜中のドキュメンタリズムから黎明のドキュメントへ

映像’26は1980年4月に放送を開始した関西初のローカル・ドキュメンタリーです。
月1回、深夜の放送から日曜あさに移動し再放送やネット配信も充実させながらテレビドキュメンタリーの発信を続けていきます。

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