西宮市の木下晃希さん(23歳)の絵が注目を集めている。絵具や水性ペンで、キリンやシマウマなどの野生動物、鳥・カエル・魚など、さまざまな生き物を生き生きと描く。写真を見ながら輪郭を一筆で描き上げ、個性的な色使いで鮮やかに仕上げる。その絵は見る人を幸せにし、だれかに話したくなる不思議な力を持つ。
晃希さんには重度の知的障害と発達障害がある。会話はあまりできないし、じっとしているのも苦手だった。しかし、絵を描いているときは別。完全に集中し、何時間も描き続ける。「この子は将来どうなるのだろう」と不安だった両親は、晃希さんが幼稚園の頃に初めて描いたキリンの絵に才能を感じ、絵を描く機会を与え続けてきた。現在は作業所に通いながら、夜や休日に創作活動を続けている。
晃希さんはパラアート(障害者芸術)展などで数々の賞を受け、その作品は米国発のシューズメーカー"KEEN"の商品デザインにも採用された。2023年9月に初めての個展を東京で開催すると、30点の作品が数日間で完売した。
そんな周囲の評価を知ってか知らずか、彼は慢心することも周囲に迎合することもない。ただ自分が描きたいから描く。それが晃希さんのスタイル。その絵の魅力と、忙しいのにマイペースな1年を追った。
生き物を描く パラアーティスト木下晃希
2024年4月28日(日)放送
10月27日(日) あさ 5時00分放送
13歳の死が伝えること(仮)
番組について
真夜中のドキュメンタリズムから黎明のドキュメントへ
映像’24は4月からあさ5時の放送に変わります
映像’24は1980年4月に放送を開始した関西初のローカル・ドキュメンタリーです。
月1回、深夜の放送から日曜あさに移動し再放送やネット配信も充実させながらテレビドキュメンタリーの発信を続けていきます。