「米国の正義を疑え!」、そう書かれたTシャツと隊服を着て街宣活動をする小柄な女性がいる。愛国団体「花瑛塾」の仲村之菊(みどり)さん40歳。自らを「ガチウヨ」と呼び、ヘイトに走る「ネトウヨ」とはまったく異なる思想がある、と語る。千葉県柏市に拠点をおく塾には天照大神を祀る神棚があり、仲村さんが祓詞を唱えて一日が始まる。神棚の隣には工具が並ぶ作業場。塾が自宅でもある彼女は、大工である。18歳で右翼の世界に飛び込み、令和の始まりとともに若い男たちを率いる塾長になった。
塾生は約30人。その一人、21歳のヒロキは、仲村さんにネット上で絡んできた「ネトウヨ」だった。だが「もうネトウヨは、卒業!塾長のおかげです」と笑う。今年6月、仲村さんとヒロキは、慰霊の日を沖縄で迎える。兵士と住民が地獄を見たガマ(自然洞窟)にも入り、沖縄戦に初めて触れたヒロキ。「自分の悩みは、ちっぽけでした」と自省し、生活を立て直そうとする。ところが8月9日、右翼が集まる反ロシアデーにヒロキの姿が見えない...。
歴史認識の問題や外交の摩擦から人びとが「ファッションでネトウヨ化している」と指摘するガチウヨ。「戦争の記憶を継承」し、「東アジアと連帯」することなどを目指し、沖縄の米軍基地ゲート前にも立つ仲村さん。戦後74年、模索を続けるガチウヨの目を通し、この国のいまを描いてみる。
※ 9月は、1週早い22日の放送です。
ガチウヨ~主権は誰の手にあるのか~
2019年9月22日(日)放送
5月25日(日) あさ 5時00分放送

歪んだ正義(仮)
番組について
真夜中のドキュメンタリズムから黎明のドキュメントへ
映像’25は4月からあさ5時の放送に変わります
映像’25は1980年4月に放送を開始した関西初のローカル・ドキュメンタリーです。
月1回、深夜の放送から日曜あさに移動し再放送やネット配信も充実させながらテレビドキュメンタリーの発信を続けていきます。