MBS(毎日放送)

未来医学者 ~世界初"iPS心筋"の10年~

11年前、世界で初めて行われた心臓病治療を取材した。弱った心臓に自分の足の筋芽細胞から作ったシート状の膜を貼り付けて心機能の再生、回復を促す、というものだ。治療を主導したのは大阪大学心臓血管外科の澤芳樹教授。同じ時期、京都大学の山中伸弥教授がヒトiPS細胞の作製を成功させた。2人は2008年、iPS細胞を使って心筋シートを作る共同研究を始める。築後何十年も経った古くて暗い京大の研究室で2人は対面した。
当時はまだ、「いつかiPS心筋シートで治療する日が来るだろう」としか思えなかった。その「いつか」が目前に迫ってきた。iPS細胞を使った臨床研究は目や神経の病気ですでに始まっている。しかし心筋シートとなると使用する細胞の数が桁外れに違う。QOL(生活の質)重視の治療ではなく、命に直結する心臓にiPSを使うことを疑問視する意見もある。しかし"新たな治療"に期待する患者や家族も多い。iPS細胞を使った再生医療は未来への医療の扉を開くことになるのか...。
臨床と研究、それぞれのトップランナーの澤教授と山中教授、2人がこの10年間の軌跡について語り合い、未来医学者が描くこれからの再生医療の今後を考える。

次回の放送

5月25日(日) あさ 5時00分放送

歪んだ正義(仮)

番組について

真夜中のドキュメンタリズムから黎明のドキュメントへ
映像’25は4月からあさ5時の放送に変わります


映像’25は1980年4月に放送を開始した関西初のローカル・ドキュメンタリーです。
月1回、深夜の放送から日曜あさに移動し再放送やネット配信も充実させながらテレビドキュメンタリーの発信を続けていきます。

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