MBS(毎日放送)

76歳"万博おばあちゃん"流の楽しむコツは「人と積極的に交流する」開幕初日から7つのパビリオン回る!「元気の源なので毎日必ず行く」【密着取材】

大阪・関西万博

SHARE
X
Facebook
LINE

 4月13日に開幕した大阪・関西万博。2005年の『愛・地球博』や2010年の上海万博などの会期中、会場に毎日足を運んだ女性がいます。人呼んで“万博おばあちゃん”。今回はそんな“万博おばあちゃん”の開幕初日の様子に密着しました。

万博にハマったきっかけは2005年『愛・地球博』

 4月13日、万博の初日。一人の女性がミャクミャクを手に会場へやってきました。

 (山田外美代さん)「人数がちがう。尋常じゃないくらい入っていますよね」

 山田外美代さん(76)。これまでさまざまな万博に足を運んできた、人呼んで『万博おばあちゃん』です。
20250415_banpaku-000043401.jpg
 今年1月、愛知県瀬戸市に住む外美代さんの自宅を訪れると、世界各国で集めた万博グッズ、約4万点がずらりと並んでいました。イタリア・ミラノ万博(2015年)のソーラー充電器や、スペイン・サラゴサ万博(2008年)の切手集、中国・上海万博(2010年)のファッションメガネなど…。

 万博にのめり込んだきっかけは、地元開催となった2005年の『愛・地球博』。当初は数日だけのつもりでしたが、その魅力に心を奪われ、開催期間の185日間、毎日通いました。それ以降、2010年の上海万博や、2021年のドバイ万博など、海外で開かれた万博にも足を運んでいます。

 (山田外美代さん)「パスポートもビザもいらないし、会場に入場券だけで入れる。それぞれの国で生まれたスタッフが来ているので、その国の特色や食事を聞いてもすごく伝わってくる」

万博に“毎日”通うため生活の拠点を大阪に!?

 万博の開幕前日。外美代さんの姿は大阪にありました。家のベランダからみえるのは大屋根リング。実は、今回も万博に毎日通うため生活の拠点を大阪市内に移したのです。

 (山田外美代さん)「夜も(大屋根リングを)見て、起きても見て、暇があったら見て」
20250415_banpaku-000250668.jpg
 夫の鐘敏さんとこのために休職した息子の和弘さんも一緒にやってきました。

 (山田外美代さん)「朝何時ごろ出ようか?」
 (息子・和弘さん)「あした最初7時に行こうかと思ってたけど、6時半にしようかなと思って」
 (夫・鐘敏さん)「短い区間やけど(電車に)乗れるかどうか心配やしな」

 持ち物リストも玄関のドアに貼って準備万全。ただ外美代さんには、心配事がありました。

 (山田外美代さん)「私足折れてるから座れない」

 半年ほど前に転んで骨折した足がまだ痛むというのです。少し不安を抱えて、万博を迎えることになりました。

1万人の第九の合唱に「すごい!ミャクミャクが並んでるみたい」

 そして、開幕の日。

 (山田外美代さん)「これ毎日来るんですよ」
 (息子・和弘さん)「相当人すごいです」
 (山田外美代さん)「意外、こんなに人がいるの」
 (息子・和弘さん)「もういますね」

 開会の2時間前に到着しましたが、既に多くの人が会場に集まっていました。万博では有名人の外美代さん。会場に入ると早速、メディアに囲まれます。心配していた足は…興奮からか、全く気になっていないようです。

 (息子・和弘さん)「あそこ。もっとあっち行って。あのリングの上を見て」
 (山田外美代さん)「わー!すごい!ミャクミャクカラーだ!合唱団だよね。ミャクミャクが並んでるみたい」

 目に飛び込んできたのは、大屋根リングでの1万人の第九の合唱です。

 (山田外美代さん)「なんかいいね。合唱団に入りたい」

最初に入ったのは『関西パビリオン』鳥取県知事がお出迎え

 外美代さんが最初に選んだのは中国パビリオン。しかし、式典の真っ最中。中に入ることはやむなく断念して、予定したパビリオンに行くことにしました。向かった先は…国内パビリオンの1つ、『関西パビリオン』です。

 出迎えたのは鳥取県の平井伸治知事。近畿や周辺の9つの自治体がブースを出していて、外美代さんは万博の準備期間中に鳥取県の職員と知り合い、初日に来ることにしたのです。

 鳥取県のブースに敷き詰められたのは、鳥取砂丘の砂です。虫眼鏡型のタブレットをかざしてみると、地元の観光名所やグルメなどが映し出されます。

 (山田外美代さん)「宝物探しみたい。めっちゃおもしろいけど腰痛いです。でも行った気分になれました」

万博をより楽しむコツは『人と積極的に交流する』

 数々の万博に通ってきた外美代さん。万博をより楽しむコツがあるといいます。それはスタッフに積極的に話しかけて人と交流することです。

 (山田外美代さん)「とにかくスタッフと仲良くして、言われるままに動きます。これがポイントですね」

 南太平洋の島国・ツバルのブースでは、現地の人からレクチャーを受け、ダンスにも挑戦です。周りの人も巻き込んで楽しみます。
20250415_banpaku-000726067.jpg
 息子の和弘さんは、外美代さんのその瞬間をカメラにおさめていきます。この日も50人以上と写真を撮りました。

 休むことなく会場内を歩き回る外美代さん。一方、夫の鐘敏さんは着いていくのも必死です。外美代さんらがパビリオンに入っている間、束の間の休息です。

 (夫・鐘敏さん)「しんどいしんどい。初日はいつもこんなふうで。(Q元気そうな外美代さんの姿を見てどう?)うれしいですよ。よく頑張っとるなと」

開幕日に回ったパビリオンは7つ「元気の源なので毎日行く」

 開幕日、外美代さんは7つのパビリオンを回りました。その目に映った大阪・関西万博の印象とは。

 (山田外美代さん)「(Qいままでの万博と比べてどう?)建物がすごく大きい。いままで小さなパビリオンが多かったですけど、今回は偉大」
20250415_banpaku-000903534.jpg
 初日の最後。向かったのは『スペイン館』です。日本と共通する『黒潮』をテーマとしたパビリオン。入ればまるで深海にいるような、神秘的なエリアが広がります。

 外美代さんが改めて感じた万博の魅力とは。

 (山田外美代さん)「入ってこなければわからない。体験してみれば楽しい。それでもって、そこの国にお話ししながら行く楽しみを作れる。(Q毎日行く?)万博が元気の源なので短時間でも必ず行きます」

2025年04月16日(水)現在の情報です

今、あなたにオススメ

最近の記事

まだ"白紙"の万博跡地「熱が冷めないうちに活用を!」 来年春から事業者募集...着工は2028年ごろ? "負の遺産"だった夢洲のゆくえ「万博の記憶を感じる場所にすべき」【万博担当記者が解説】

2025/10/17

万博閉幕後の「ミャクミャク」はレガシーとして大屋根リングと同等以上の役割!?公式ライセンス商品の売り上げは「1000億円超えか」といわれる中...理念の体現・継承に専門家は期待

2025/10/14

万博・閉幕後に新たな危惧 「解体工事」めぐる"未払い"...業界団体が「絶対起きる」と指摘するそのワケは? 博覧会協会が発注の工事で"費用の未払い"発覚 協会に相談するも「立ち入れるものではない」との返答

2025/10/12

万博の"黒字200億円超"の見方 黒字はあくまで『運営費』会場建設費は当初の約2倍 ではどう活用する?「工事費"未払い"が少なくとも5億円以上」法律がないのがハードルか 誘致段階から取材続ける記者が解説

2025/10/11

【万博クライマックス】"ミャクミャク現象"が過熱!「LABUBU」とのコラボグッズにファン殺到 会場外にも万博を感じられるスポットがある?

2025/10/01

「気持ち悪いとか言うてたけど...」ミャクミャクが当初の評価から一転「かわいい」に!?グッズに客が殺到 百貨店担当者「ミャクミャクならなんでも売れる状態」

2025/10/01

チケットがあっても入れない?連日満員の万博 "未使用チケット"めぐり吉村知事は「早めに予約をと夏からずっと言ってきた。払い戻しは難しい」 会場では当日券&夜間券を求める長蛇の列 入場のラストチャンスはある?

2025/09/24

閉幕迫る万博 大屋根リング、人気パビリオン、定番撮影スポットの「その後」 遺産=レガシーとして残されるものは?

2025/09/23

SHARE
X(旧Twitter)
Facebook