「ゼニガメ」7月17日放送分について、放送内容に一部事実と異なる内容があったことをお伝えしていましたが、その後に、関係者のヒアリングや取材映像の解析などの調査を実施しました。また番組では、去年11月29日放送分と今年5月8日放送分でも、同じ出張買取に密着取材するロケVTRを放送していますので、これらの放送分についても調査を実施しました。この度調査を終えましたので、調査結果と再発防止策の概要をお知らせいたします。
(1) 調査結果
① 2024年7月17日放送分
買取業者が、奈良県内の家屋の清掃・遺品整理を行う様子を密着取材。現場で発見された金庫から金の延べ板が見つかり、現金で買い取る様子を放送しましたが、買取業者社長へのヒアリングの結果、金庫と金の延べ板は、社長の指示により事前に準備されたものだったことが明らかになりました。さらに「依頼者」についても、家屋とは関係のない人物で、買取業者に依頼されていたことが判明しました。
制作スタッフの関与については、ヒアリングに加え当日の取材映像(放送した部分以外も収録されているもの)の解析、買取業者とのやりとりの記録などの確認を行いましたが、制作スタッフが買取業者による事前準備に関わっていたり、認識していたことを示すものはありませんでした。
②2023年11月29日、2024年5月8日放送分
いずれの回も買取業者に密着する取材VTRを放送しました。その中で、土地建物を現金で買い取る様子を放送しましたが、調査の結果、2回とも当該土地建物は買取業者がロケ以前に買い取っていたもので、実際には売買はロケ当日には行われておらず、「依頼者」として登場した人物も、買取業者が事前に依頼していたことが明らかになりました。また、ロケで登場した司法書士も、買取業者が依頼したもので、実際の売買ではないことを知りながら立ち会っていたことが判明しました。
制作スタッフの関与については、ヒアリングに加え、取材映像の解析などの調査を行いましたが、2回の放送いずれとも買取業者による事前準備に関わっていたり、認識していたことを示すものはありませんでした。
なお、上記の3回の放送については、9月13日に放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会が「事実と異なる放送にならないよう、事前の取材、編集などで十分注意を払っていたかなど」放送倫理上の問題がないか審議することなりました。
BPOの調査、ヒアリングには真摯に協力してまいります。
(2) 再発防止に向けて
今回の調査結果を受けてMBS制作局として以下の再発防止策を講じることといたしました。
① 企業のサービス利用者の取材は、番組が主導・交渉して取材対象を選定することを原則とする
②各番組の出演許諾書に「番組で取り上げた取材対象企業・店舗の関係者(過去も含む)ではなく、一切の利害関係がないこと」「自身のプロフィールや番組内で述べた事実について虚偽が無いこと」旨を盛り込む
③ やむを得ず企業からサービス利用者の紹介を受けて取材する場合、企業側と「紹介を受けた利用者が(自社の)関係者ではない」旨を記載した「確認書」を交わす
④ 上記①~③の確認漏れを防ぐため、企業から紹介を受けたサービス利用者を取材する場合には「チェックシート」を作成
⑤ 密着取材の制作スケジュールに余裕を持つ
⑥ 特にリスクが予測される取材対象に対して「ファクトチェック」の意識を強化
事実と異なる内容を放送したことを改めて深くお詫びいたします。
取材先で事実と異なる事前準備がなされていたことは誠に遺憾なことではありますが、それに気づけなかったことを重く受け止め、新たな再発防止策を講じることといたしました。改めて取材時の事実確認徹底を心掛け、皆様に信頼される放送局であるよう努めてまいります。