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宇宙からテレビ局へ
―面談で出会った僕たちが上司と部下になるまで
宇宙からテレビ局へ
―面談で出会った僕たちが上司と部下になるまで
宇宙研究に打ち込んでいた大学院生が、テレビ局でDXを担うエンジニアに。選考で出会った面談員が、数年後の直属の上司に──。専門性の活かし方、働く環境のリアル、そして今だから語れるあの“面談“の裏側を語り合います。
宇宙研究に打ち込んでいた大学院生が、テレビ局でDXを担うエンジニアに。選考で出会った面談員が、数年後の直属の上司に──。専門性の活かし方、働く環境のリアル、そして今だから語れるあの“面談“の裏側を語り合います。
就職活動中、MBSの3次選考で僕の担当をしてくださったのが、DX推進部長の上屋敷さんでした。 僕は大学院で宇宙についての研究をしていて、メディア業界への志望動機や専門性をどう伝えたらいいのか迷いもありました。でも、面談では、いわゆる“テレビ愛”よりも、「その研究、どんなことなの?」と真正面から聞いてくださったのがとても印象的でした。 まさかその数年後、自分がMBSに入社し、同じ部署で上屋敷さんのもとで働くことになるとは、もちろん当時は思ってもみませんでした。今だからこそ、聞いてみたいことがある。そう思って、改めてお話を伺いました。
今日は、面談のときのお話をしたくて…
お、ちょっとその前に。“ばっしー”って、普段通り呼んで大丈夫?(笑)
もちろんです。いつも通りでお願いします(笑)
冒頭から少し照れくさいやりとりでしたが、年齢が親子ほど離れた上司部下の関係であっても、冗談を交わせるくらいリラックスしてコミュニケーションを取ることができます。 面談当時はあんなにも緊張していたところから、こんなふうに打ち解けられて少しうれしく思います。
面談のこと、覚えていらっしゃいますか?
もちろん、すごく覚えているよ。 なんで覚えているかというとエントリーシートを見て“宇宙の難しいことを研究してる人やな”と興味を持って。 どんなことを研究しているの? って聞くと、分かりやすく説明してくれた。
僕もその面談で思っていたのが、”研究の話をすごく聞いてくださるな”って。僕、そのメディアの知識とか全くないんですけど、そのなかでも自分ができることを深掘りしてもらおうと思ってたんですよ。 YouTubeをやったり、昔ラジオを作ったりしていた話も用意していたんですけど、一回も聞かれなくて(笑) 逆に自分が本当に学生時代に力を入れてたことを中心に聞いてくださったので、イメージが結構変わりましたね。
もちろん、テレビやラジオが好きっていう気持ちも大事やけど、それだけではなかなかうまくいかない部分もある。
“相手が知らないことをどうわかりやすく説明するか”。それを重視してたね。 ばっしーの宇宙の話もそうだけど、そういうところが気になったし、だからあの面談では自然とその話に時間を割いてたのかもしれない。 学生さんのエントリーシートはちゃんと見るけど、どんな仕事がしたいかより、“これまで何をどうやってきたか”を、自分の言葉で話せるかどうか。 ロジカルに考えられているかも含めて、そこが一番大事やと思ってる。
面談では、志望動機よりもまず「その人の得意なフィールドで、どこまで対話できるか」に重きが置かれていたというのは、新鮮な視点でした。
上屋敷さんから見て、採用面談のときの僕と、入社後の僕の印象は変わりましたか?
いい意味で変わったね。
成長していますか…?
もちろん。面談では宇宙の話を熱意をもって、わかりやすく話してくれた。 そのときも印象に残っていたけれど、実際に働いてみて、ひょうひょうと見えて芯が強いと感じた。コミュニケーションも取れるし、想像以上にすごい人やと思ったよ。
うれしいです。こういう機会じゃないと聞けないので、ちゃんと受け止めます。
でも、あんまり調子に乗ったらあかんで (笑)
もちろんです (笑)
ばっしーには、これからも新しいことにどんどんチャレンジしてほしいし、MBSにはその土壌がある。変化を起こすには“これまで”も理解した上で、“これから”をつくる視点が大事。 DXって“トランスフォーメーション”だからこそ、今ある仕組みに敬意を持ちながら、新しい価値をどう足していくかを考えていってほしい。
すごく共感します。他の部署の方ともよく会話させてもらうんですが、自分の興味関心を起点に話せる環境があるのは、エンジニアとしてもありがたいです。
ばっしー、出身は大分やったっけ?
はい。そこから、大学は広島大学に進学しました。
そこからなんで関西? MBSを選んだ理由って何やった?
ラジオが昔からすごく好きだったんです。 研究も面白かったんですけど、僕の中では“科学は伝わってこそ価値を持つ”という感覚がずっとあって。大発見も誰かに伝わらなければ意味がないと思ってたんです。 だから“何かを伝える”という行為そのものに惹かれて、メディアという選択肢が浮かびました。 正直、他の局も見ていたんですが、MBSのインターンで驚いたのは、その風通しのよさで、入社後もその印象は変わっていません。 仕事の進め方についても“これがわかりません”という相談はもちろん、“こんなことをやってみたいです”という提案も、すごく気軽にできる環境なんです。
なるほど。関西のノリとかは大丈夫?
たしかに、関西ネイティブではないので少し不安はありました。 でも皆さん明るくて、冗談も交えて話して接してくださるので全然ストレスを感じていません。面白い会社だなと思っています。
最後に就活生に向けて伝えたいことはありますか?
今の放送業界は、変化している。MBSはその変化の先に前に進もうとしている会社。風通しがよく、いろんなタイプの社員がいるのも特徴だと思う。 関心があるなら、ぜひ門を叩いてほしい。損はさせません。
テレビ局のエンジニアというと、カメラや音声のイメージが強いですが、実際に入ってみると、AIやデータ分析といったIT分野にも大きな可能性があります。
僕自身、学生時代は暗黒物質を研究していて、データ分析にも携わっていましたが、MBSにはそれを活かせるフィールドが確かにあると感じました。 今やっている業務効率化やAI活用の業務では、様々なテストを行い、それを社内に展開していく。 ITの仕事をしているはずなのに、番組やコンテンツの面白さに関わることができる。そんな“遊び”の余白がたくさんあるのが、MBSの面白さだと思います。
その“遊び”や“寄り道”が実は大事なんだよね。 違う角度から物事を見るきっかけになって、新しい仕組みや表現につながることもある。
就活では、“選ばれるかどうか”に意識が向きがちです。 でも振り返ってみると、それ以上に大事だったのは、「自分がどこなら自然体で力を出せるか」を見極めることだったと思います。 僕は大学院で宇宙の研究をしていました。まさかテレビ局で、エンジニアとして働くとは当時は想像もしていませんでした。けれど今、DX推進部でAIやデータ分析に取り組むなかで、番組の現場に入ったり、制作チームと一緒に業務改善の提案をしたりしています。研究で積み上げた“問いを立てて、構造化し、形にする”というプロセスが、まったく違う分野でも活きている実感があります。 テレビ局なのに、ここまで自由に動けるのか。 エンジニアなのに、ここまで“人に届く”部分に関われるのか。 そうした驚きが、飽きずに働ける理由になっている気がします。 専門を活かしたまま、想像していなかった場所で誰かの役に立つ――そんな働き方が、ここにはあります。