いよいよ、7月5日(土)に開幕する第107回全国高校野球選手権兵庫大会。2年連続となる夏の甲子園出場を目指す報徳学園は、左腕・岡田壮真投手(3年)に注目だ。(取材・文 MBSアナウンサー 金山泉)
高校1年秋に投手転向 10キロ以上の球速アップ
力感のない投球フォームから投げられる最速143キロのストレートは、打者の手元で伸び、球速以上に速さを感じる。6月22日(日)に行われた京都国際との練習試合では5回3安打7奪三振1四球無失点。去年夏の甲子園覇者を相手に見事な投球を見せた。
大角健二監督(45)は岡田について「武器は角度のあるストレート。球の力もあるけど、素直なストレートではなくクセもある。周りに左右されない、メンタルの強さもある投手です」と話す。
高校入学時は外野手だった。岡田のキャッチボール姿を見た礒野剛徳部長(38)が投手としての素質を感じ、1年秋に投手に転向。当初はストレートの最速が132キロ、変化球もスライダーしか投げることができなかったが、持ち前のセンスと努力により、投手転向から1年半で球速は10キロ以上アップし、カーブやチェンジアップなど6種類の変化球を操れるようになった。
甲子園決勝の舞台「スタンドから見ている景色と全然違った」
岡田には忘れられない光景がある。2年春のセンバツ大会ではベンチ入りできなかったが、決勝戦のボールボーイとして甲子園の土を踏んだ。「スタンドから見ている景色と全然違った。ボールボーイでもとても楽しかった。プレーしたらもっと楽しいんだろうなと思った」。ベンチ横に座り、去年のエース今朝丸裕喜投手(阪神)が投げる姿を見ながら、自分も憧れのマウンドに立つことをイメージしていた。
夏の県大会に向けて岡田は「1戦必勝で勝ちを積み上げていけば、甲子園に繋がっていく。目の前の一戦をしっかり勝ち切ることを意識して戦っていきたい。先輩たちはセンバツでは2年連続準優勝だった。僕らが夏の頂点に立ったら先輩たちもきっと喜んでくれると思う」と意気込みを語る。報徳学園の初戦は7月12日(土)。ベイコム球場(尼崎)で県尼崎と尼崎小田の勝者と対戦する。
【野球サイコー!取材後記】
先輩たちを「コエテユケ」。「本当の最高はこれから始まる」。
※「コエテユケ」「本当の最高はこれから始まる」…B’z「GO FOR IT,BABY -キオクの山脈-」の歌詞
◆岡田壮真(おかだ・そうま)
兵庫県宝塚市出身 178㎝77㎏ 左投左打
報徳学園中~報徳学園高
報徳学園高では2年秋に背番号1で県大会2回戦敗退。
3年春は背番号11で県大会準優勝。
好きな食べ物 母親が作るミートソーススパゲッティ。
◆取材・文 金山泉(かなやまいずみ)
MBSアナウンサー。1982年6月5日生、新潟県上越市出身。 野球とB’zをこよなく愛する。投手として首都大学リーグ2部で通算11勝(8敗)をマークした。