世界で唯一の高校ラグビー世代の国際大会『サニックスワールドラグビーユース交流大会』が開幕。4月28日、福岡県宗像市のグローバルアリーナで予選リーグの1日目、8試合が行われました。
昨年王者・大阪桐蔭が連覇に向けて好発進
開幕戦は、昨年度のこの大会の王者・大阪桐蔭とイングランドの強豪・SGSフィルトンカレッジの対戦。序盤から大阪桐蔭が押し気味に試合を進めます。大型選手を揃えたフィルトンカレッジに対して、低く鋭く前に出る動きと集散の速さで対応。敵陣深くまで攻め込んでいきます。
しかし、国際大会の難しさもあってか、大事なところでスクラム、ラインアウトといったセットプレーが安定せずになかなか得点に結びつけることができません。ようやくチャンスをものにしたのは14分、SO矢守勇生選手の絶妙のキックでトライエリアまであとわずかに迫ると、ラインアウトからモールを一気に押し込んで、FL島崎壮汰選手がトライ。5点をリードします。
さらに21分、ミスなくボールをつなぎながらフィルトンカレッジの22mライン付近まで攻め込むと、今度はCTB北浦玲樹選手が巧みなランニングで20m以上を1人で走り切って右中間にトライ。SO矢守選手がゴールも決めて、12対0とリードして前半を折り返します。
サイドの変わった後半、次々と選手を入れ替えて反撃を試みるフィルトンカレッジ。圧力を強めてくる相手に対しても大阪桐蔭は慌てませんでした。矢守選手のキックを中心に、落ち着いてエリアを確保しながら試合を進めていきます。そして後半の9分、敵陣ゴール前中央の絶好の位置でマイボールスクラムのチャンスをつかむと、スクラムから素早く右に展開して最後はWTB上原健新選手が右隅にトライ。17対0とリードをひろげてゲームの流れを決定づけました。
試合終了間際にも、大柄な選手を相手に力強い縦突進の連続から、途中出場の冨永竜希選手がダメ押しのトライを奪った大阪桐蔭。イングランドの強豪・SGSフィルトンカレッジに24対0と快勝。連覇に向けて好スタートを切りました。
選抜大会に続く「2冠」目指す桐蔭学園 合計9トライを奪い圧勝
その大阪桐蔭と予選リーグでは同じグループに入ったのが選抜大会の覇者・桐蔭学園(神奈川)。こちらも、試合開始からジェングオハイスクール(中華台北)を圧倒します。
ジェングオハイスクールのキック処理のミスをついて敵陣深くまで攻め込むと、開始3分にモールを押し込んで先制のトライ。その後も桐蔭学園らしいテンポよくボールをつないでいくラグビーで次々とトライを重ねていきます。25分ハーフで行われた試合で前後半あわせて9トライ。ジェングオハイスクールに付け入るスキを与えず57対0で大勝しました。
選抜大会に続く2冠を成し遂げることができるかどうか。大阪桐蔭と激突する5月1日の予選リーグ最終戦を含めて、この後の戦いぶりに注目です。
日本勢同士の対決は一進一退の大激戦に
その他の試合、日本勢同士の対戦となった選抜大会ベスト4の御所実(奈良)とベスト8進出の東海大相模(神奈川)の激突は、逆転につぐ逆転の大激戦となりました。
前半6分に東海大相模がPGで3点を先制するも、御所実がBK陣の鮮やか攻撃ですぐさま逆転。ゴールも決めて7対3とリードします。しかし東海大相模も反撃。15分にモール押し込んでトライを奪うと、19分にはPGで3点を追加、再逆転して6点のリードを奪いました。
それでも御所実は慌てませんでした。前半終了間際に得意のラインアウトからのモール攻撃でトライを奪って1点差に迫ると、ゴールも決めて14対13と再々逆転。後半に入っても5分と13分にラインアウトからの得意の攻撃の形をつくって2つのトライを追加。確実にゴールも決めて28対13と大きくリードを奪います。
しかし、ここから東海大相模が猛反撃。残り時間が少なくなる中、あきらめずに攻め続けます。後半の19分に執拗な連続攻撃から1トライを返すと、23分には自陣から見事な攻撃をしかけて追撃のトライ。25対28とついに1チャンスで逆転可能な3点差に迫ります。
ロスタイムも含めて残り時間は約2分、ここは御所実が踏ん張りました。粘り強いタックルで東海大相模のミスを誘ってノーサイド。御所実が大熱戦を制してグループリーグの初戦をものにしています。
そのほかの日本勢では、オーストラリアのバーカーカレッジと対戦した東海大大阪仰星(大阪)が劇的勝利。19対19の同点で迎えた後半のロスタイムに途中出場の小池慶太郎選手が、60m以上を1人で走り切る見事な独走トライで白星を手繰り寄せました。京都成章(京都)、東福岡(福岡)、ラスト1プレーで逆転した佐賀工(佐賀)とともに、好スタートを切っています。
【サニックスワールドユースラグビー(男子15人制) 第1日】
大阪桐蔭(大阪) 24-0 SGSフィルトンカレッジ(イングランド)
御所実(奈良) 28-25 東海大相模(神奈川)
ハミルトンボーイズハイスクール(ニュージーランド) 47-14 長崎北陽台(長崎)
桐蔭学園(神奈川) 57-0 ジェングオハイスクール(中華台北)
東海大大阪仰星(大阪) 26-19 バーカーカレッジ(オーストラリア)
京都成章(京都) 81-0 べゼハイスクール(大韓民国)
佐賀工(佐賀) 28-27 ラトゥカダヴレヴスクール(フィジー)
東福岡(福岡) 47-12 京都工学院(京都)