春の高校ラグビー日本一を争う「第26回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会」が開幕。埼玉県の熊谷スポーツ文化公園で1回戦16試合が行われました。

大阪桐蔭vs茗渓学園 近畿大会3連覇の勢いで“関東の雄”を下す

 大会連覇を狙う大阪桐蔭(大阪)は、Cグラウンドで行われた第3試合に登場。関東の雄・茗渓学園(茨城)と対戦しました。近畿大会では、固いディフェンスとここぞというときの決定力で大会3連覇を果たした大阪桐蔭が、この試合も存分に持ち味を発揮します。前半11分、一人一人がしっかりと前に出た後の展開からWTB須田琥珀選手が先制のトライを奪うと、同点に追いつかれた後の24分、相手のミスに複数の選手が素早く反応したラインアウトからCTB近藤烈選手がトライ。10対5とリードして前半を折り返します。

 後半に入っても大阪桐蔭の勢いは止まりません。キックをうまく使い、落ち着いて敵陣で試合を進めると、後半11分には、FW陣の力強い縦突破の連続からこの試合3本目のトライ。19分にはグラウンドを広く使った攻撃からチームのエース、モレノ経廉ザンダー選手がトライエリアに飛び込んで勝負を決めました。さらにPGで得点を加えた大阪桐蔭。25対5で難敵に勝利して2回戦進出です。

佐賀工vs国学院栃木 実力校対決は大接戦に

 強豪校が順当に1回戦を突破する中で、手に汗握るクロスゲームを演じたのが、佐賀工(佐賀)と国学院栃木(栃木)の実力校の激突。両チームが譲らない拮抗した展開から、前半25分、国学院栃木がWTB池田健心選手の独走トライで7点をリードすると、直後の27分には、佐賀工のSO吉浦太我選手が判断よく相手パスをインターセプトしてそのままトライ。前半は、7対7の同点で終了します。

 後半に入っても一進一退。息詰まる攻防の中で、先にスコアを動かしたのは、国学院栃木でした。後半18分、SH石原陽選手がPGを決めて、ついに10対7とリードします。しかし、佐賀工も粘ります。その後の国学院栃木の攻撃を集中力高いディフェンスでしのぎ切ると、25分過ぎからは、得意のモールを押し込んで敵陣深くまで攻め込みます。そして28分、FW陣の執拗な連続攻撃から最後はFL寺原周希選手が逆転のトライ。ゴールも決めて14対10で、大熱戦をものにしました。

激戦の末に…大分舞鶴が抽選で2回戦進出

 そのほかの試合、関東大会を制した桐蔭学園(神奈川)は、初出場の早稲田佐賀(佐賀)から9トライを奪って大勝。九州各ブロック大会の王者・長崎北陽台(長崎)は、攻撃力の高さをみせて秋田工(秋田)に快勝。復活を期す東福岡(福岡)は、流通経大柏(千葉)に苦戦しながらもを43対29で勝利しました。

 壮絶な試合となったのは、大分舞鶴(大分)と昌平(埼玉)の一戦。前半、大分舞鶴が4つのトライで26対7と大きくリードを奪うも、後半に入ると、地元の大声援を背に昌平が逆襲。26対24と2点差まで詰め寄ります。後半20分、大分舞鶴がトライを奪って31対24と突き放しますが、昌平も粘ります。試合終了間際に執念でトライを奪って29対31、プレッシャーのかかるコンバージョンキックをCTB宮本和弥選手が見事に決めて31対31の同点に追いつきました。トライ数ゴール数とも同じのため、抽選の結果、大分舞鶴が2回戦に進出しました。

 なお、近畿勢は、目黒学院(東京)に逆転勝ちを収めた京都成章(京都)を含め、出場6校が全てが1回戦を突破しています。

【1回戦の結果】

長崎北陽台 50-12 秋田工 
京都成章 19-12 目黒学院
東海大相模 38-0 名古屋

京都工学院 65-14 山梨学院
中部大春日丘 59-7 松山聖陵
大阪桐蔭 25-5 茗渓学園
筑紫 62-0 青森山田
大分舞鶴 31-31 昌平
(トライ・ゴール数とも同数。抽選の結果、大分舞鶴が2回戦進出)

佐賀工 14-10 国学院栃木
尾道 36-12 開志国際

東福岡 43-29 流通経大柏
関西学院 64-12 秋田中央
常翔学園 62-7 札幌山の手
桐蔭学園 57-15 早稲田佐賀
御所実 57-0 立命館慶祥
高鍋 36-14 日本航空石川

【2回戦(3月25日)の組み合わせ】

東福岡 対 関西学院
常翔学園 対 桐蔭学園
大阪桐蔭 対 筑紫
大分舞鶴 対 御所実
京都工学院 対 中部大春日丘
佐賀工 対 尾道
長崎北陽台 対 京都成章
東海大相模 対 高鍋