“労働者の街”の象徴だった西成の「あいりん総合センター」。解体に向け市が動き始めました。

 (大阪市 横山英幸市長)「あいりん総合センターおよび萩之茶屋第2住宅について、解体撤去工事請負契約を締結するものです」

 5月15日午後、開かれた大阪市議会。西成区にある「あいりん総合センター」の解体撤去工事に向け、市は業者と工事の契約を結ぶ議案を提出しました。

 労働者の就労などを支援してきたあいりん総合センター。前回の大阪万博が開催された1970年に建てられ、バブル期には、溢れんばかりの日雇労働者が集まりました。しかし2019年、耐震性の問題を理由に建て替えることになり閉鎖が決定。これに反対する労働者らと警察・行政側が激しく対立し法廷闘争に発展しました。

 去年5月、労働者らに立ち退きを命じる判決が確定し、大阪地裁は強制執行を行いました。

 (立ち退かされた路上生活者 去年12月)「帰ってきたら入れなかった、午前8時すぎに。閉鎖でしょ、要するに。いつか来ると思っていた」

 強制退去から約5か月。あの場所はどうなっているのか訪ねてみると、建物は白い囲いで覆われ立ち入ることはできません。街の人に話を聞くと…

 「(Qどんな場所だった?)おっちゃんたちがたくさん集まっていた場所かなと。昔からずっとあったので寂しいなという思いもあります」
 「労働者の街だけど、昔の時代と違うから。変えることも必要なのではないかな。西成もちょっとずつ変わらないとあかんわな」

 市によりますと、5月27日の本会議で解体工事に関する議案が可決されれば工事に着手するといい、2027年3月末めどに終える見込みだということです。