京都で恒例の『カモのお引っ越し』。しかし、今年はある異変が…

 ヨチヨチ歩きで少しずつ進む子ガモたち。住民に囲まれながら、鴨川を目指して移動します。毎年5月下旬ごろ、京都の町で恒例となっている『カモのお引っ越し』。子ガモが一生懸命に歩く姿は初夏の風物詩となっています。

 舞台となるのが京都市左京区の『要法寺』です。20年前、境内にある大きな池にカモのつがいが飛来し、産卵したことがきっかけでした。子ガモが成長すると池から700m先の鴨川まで歩いて移動します。この『お引っ越し』、過去には…

 【2012年取材】
 (警察官)「まもなくカモ一行川端通りに到着いたします。ご協力お願いします」

 地域の人や警察官に見守られ、数時間かけて大移動。さながら大名行列のような光景です。

 今年もそろそろ、お引っ越しの時期。寺を訪ねると…

 池に子ガモの姿はなく、隅のほうで寂しそうに寄り添うカモの夫婦。見守ってきた住民に話を聞くと…

 (近隣住民 住友宏子さん)「卵を産んだときには『今年も来たな、順調やな』って思っていたんですけど。しばらくしたら無くなっていて」

 ことし、カモの夫婦が少なくとも12個の卵を産んだことは確認されていましたが、4月下旬、巣から卵が無くなっていたといいます。

 (近隣住民 住友宏子さん)「たぶん池に入って何者かがとったんだろうと…1個だけが残っていたんですけど、牙の跡がついていて、やっぱりイタチかなと」

 女性は周辺でイタチを頻繁に目撃していて、卵に残された2つの穴の大きさからも犯人はイタチではないかと話します。

 (近隣住民 住友宏子さん)「お母さんとお父さん、がっかりしてますけど。自然はそんな上手いこと行かへんもんやでと」

 親ガモは今後も卵を産む可能性はあるということですが、今年は『鴨の引っ越し』は見られないかもしれません。