大阪・関西万博の開幕から1か月。高まる熱気の一方、周辺への経済波及効果には疑問の声も…。
(来場者)「9回目です。家では“万博おじさん”と呼ばれています。まだ(パビリオン)全部制覇していないので、まずはひととおり制覇を」
(来場者)「11回目です。ミャクミャクカラーの服で毎回来ています。同じ服着ている人もたまに見かけます。そこで交流も生まれたりする」
開幕から1か月、会場ではすでにリピーターの姿も。チケットの販売枚数は1100万枚を超え、前の週から50万枚近く売上げを伸ばしています。
期待されている周辺への経済波及効果はどうなのか?万博会場に近い大阪市港区の八幡屋商店街にあるスーパーを訪れると…
(スーパーナショナル八幡屋店 松田浩一チーフ)「ちょこちょこは、外国人が少し増えてきたかなという印象です。もうちょっと来てほしい」
これまで見られなかったという外国人の姿はこの日もありましたが、恩恵はあまり感じていないようです。一方、文房具店では…
(光文具 店主)「(Q経済効果の実感は?)まったくない。ここに来るわけないやん。(万博会場への)通り道なだけやから」
たしかに、平日の日中とはいえ、寂し気な雰囲気が漂っていました。
場所は変わって、大阪・ミナミ。タクシー運転手らに話を聞きました。
(運転手)「ときどき万博へ行く方を乗せるが、そこで潤っているかというと正直…。タクシーがそもそも増えている、その結果、暇になっている印象です」
府では万博期間中のタクシー不足に備え、自家用車などを活用したライドシェアを導入。全体的な台数が増えたことが影響しているのでしょうか。
観光客に人気のお好み焼き店は万博との相乗効果を期待していましたが…
(道頓堀一明 原田正明さん)「(お客さんは)1日中万博にいるので、こちらに来る時間が遅い。だから閉店して片付けているときに結構来るんです。『すいません、きょうは終わりました』という状態ですね」
店のラストオーダーは午後9時。一方、万博は午後10時まで開いています。万博帰りの人たちをうまく取り込めず、4月の売り上げは前年と比べて2割ほど減りました。それでもまだ1か月。期待はやまないといいます。
(道頓堀一明 原田正明さん)「ポジティブに考えていて、大阪に来られている方々が多いので、効果は絶対にあとから出るとは思っています」