日本維新の会を今年4月に離党した梅村みずほ参院議員。「維新はガバナンス不全」とその胸中を激白しました。
(梅村みずほ参院議員)「6年前に私が当選できたのは維新の看板のおかげです。離党というのは非常に苦しい決断でした」
5月8日、神妙な面持ちでこう語るのは、大阪選出の梅村みずほ参院議員。もとはフリーアナウンサーとして活動していましたが、2019年、日本維新の会から政治経験ゼロで参院選に出馬。
(梅村みずほ参院議員※2019年)「自分に与えられた役割は『一般の感覚』。普通のお母さんの感覚。女性の感覚」
主婦目線をアピールしてトップ当選。今夏の参院選で2期目を目指す予定でした。しかし、4月27日に離党。
きっかけとなったのは、参院選に向けた公認候補を選ぶために維新で行われた予備選挙でした。現職の梅村議員も立候補しましたが、大阪市議の新人2人に敗れました。
実は、維新が、現職がいる選挙区で予備選挙を行ったのは今回が初めて。岩谷良平幹事長は次のように述べていました。
(日本維新の会 岩谷良平幹事長)「現時点では大阪の参議院、今回に限った措置であるというふうに考えております。次回も実施するかは、大阪維新の会の選対を中心として議論がされるものと思います」
「今回に限った措置」。この言葉が梅村議員に離党を決意させました。
(梅村みずほ参院議員)「『予備選挙の実施が現段階で今回のみの措置』という発言が幹事長からなされたときに、すごく強い違和感を感じたんです。狙い撃ちと言われてもおかしくないような選挙になってしまった」
自身が候補者にならないよう“狙い撃ち”されたと感じたのです。岩谷幹事長は「問題がなければ今後も予備選を実施すべき」との考えも示しましたが、梅村議員はこれまでにも党に疑問を抱く場面があったと話します。
2023年、入管で亡くなったスリランカ人女性に関する梅村議員の発言が問題視された際、党が委員の交代や正式な質疑の取りやめを求めなかったのにもかかわらず、6か月の党員資格停止という重い処分がくだされたこと。
また、兵庫県の斎藤元彦知事をめぐっても、当初は真相解明を優先するとしていたものの、百条委員会の途中に一転して不信任案に賛成したことなどを挙げ、「維新は世論の反応を見て対応を決めていて、ガバナンス不全だ」と指摘しました。
(梅村みずほ参院議員)「(維新はかつて)反対勢力も大きいような政策を進めていった。日本のために必要な政策をどれだけ風当たりが厳しかろうが訴えていく。そこに私は維新らしさを見出していたんです。けれども、燃え上がったら処分されるということにもしなるのであれば、それはすでに維新ではないのではないかと」
維新から離れた今、改めて思うことは…
(梅村みずほ参院議員)「日本維新の会の掲げた社会像や理念に私は今も共感していますし、だからこそ、これから維新の会が、本当に皆さんに愛される政党として成長してほしいと思っています」
今後の政治活動については梅村議員は「白紙」としていて、参院選に出馬するかも決めていないということです。