大阪・関西万博の開幕から5月13日で1か月。期待されているのが周辺への経済波及効果です。万博会場から最も近い商店街、八幡屋商店街(大阪・港区)には万博関連の広告があちこちに。しかし、文房具店で話を聞いてみると…
(文房具店の店主)「(Q経済効果の実感は?)まったくない。ここに来るわけないやん。(万博会場への)通り道なだけやから」
経済効果は感じないといいます。たしかに商店街を歩くと、平日の日中とはいえ、寂しげな雰囲気が漂っています。たこ焼き店も「普通と同じくらい。全然」とコメント。さらに、野菜を扱う店舗も次のように話します。
(青果店の店主)「(Qお客さんの変化は?)なんにも変わらへん。変わったのは駐車場の料金が高くなった。めっちゃ高くなった。今までは1日止めても500円やってん。今は5時間超えたら…一気に7000円になんねん」
万博に車で訪れる客目当てなのか。近隣の駐車場の料金が高騰しているといいます。
では大阪・ミナミはどうでしょうか。観光客に大人気のお好み焼き店。万博との相乗効果を期待していましたが…
(道頓堀一明 原田正明さん)「(お客さんは)1日中、万博にいるので、こちらに来る時間が遅い。閉店して片付けているときに結構来るんです。『すみません、きょうは終わりました』という状態ですね」
店のラストオーダーは午後9時。一方、万博は午後10時まで開いています。万博帰りの人たちをうまく取り込めず、4月の売り上げは前年と比べて、2割ほど減ったといいます。
(道頓堀一明 原田正明さん)「(お客さんたちは)万博でお金をたくさん使うと思うんですよ。(会場で食べて)おなかすいてない状態でミナミまで来て、飲食店に入ってというのはなかなか少ないのではないか」
では、梅田などのキタエリアは?コンテンツ制作会社を経営する花岡洋一さんが今手がけている事業が、梅田の商業施設の一角に万博の期間限定で設けたフリースペースです。その名も『EXPO酒場キタ本店』。
午後5時から午後11時までお酒などを提供していて、ミャクミャクのぬいぐるみもあり、万博を強く意識したデザインです。ターゲットは主に会場で働く外国人スタッフです。
(EXPO酒場 プロデューサー・出口清史さん)「『KANPAI NIGHT PASS』。サブスクリプションのサービスです。3000円で万博会場のスタッフの方が購入できる」
万博のスタッフ専用に、月3000円で1日1杯ドリンクが無料になるサービスも。しかし…
(花岡洋一さん)「1日何枚くらい売れてるんやろう?」
(店長)「販売枚数ですよね?今のところそんなに…」
ですが、まだ1か月。前向きに捉えています。
(花岡洋一さん)「(開幕から)1か月たって、ようやく『これやったほうがいいこと』がわかってきた。徐々に盛り上がる仕組みは作っていこうかなと」