大阪・関西万博の来場者数が、現時点では「2025年日本国際博覧会協会」が掲げる2820万人に届かないペースである点をめぐり、協会の石毛博行事務総長は “2820万人は想定であり、目標ではない”という姿勢を改めて示しました。

 博覧会協会によりますと、大阪・関西万博の来場者数は5月10日時点で、AD証(関係者入場証)を持つ「関係者」も含めると290万人となっています。11日の入場者の速報値も含めると、関係者込みの来場者は300万人を突破しています。

 しかし、現在のペースでは協会が掲げている「10月13日までの会期全体で2820万人」という数字には達しません。

 加えて、伊東良孝・万博担当大臣は先月、「2820万人」という数字について、「関係者を除いた、チケット購入者のみの人数」との見解を示しています。


▼「参加した方ができるだけ高い満足度で終えていくことも非常に重要な要素。ただ単に数字だけを追求するものでもないとも考えている」

 こうした現状をめぐり、博覧会協会の石毛博行事務総長は、12日の会見で次のように答えました。

 Q. 現在の来場者数の状況についてですが、会期中に想定している2820万人の達成については、1日あたり15万人の来場が必要かと思いますが、現状はそれを下回っています。今後の2820万人の達成見通しと、現在の来場数への評価について教えてください。

 (博覧会協会 石毛博行事務総長)「万博は前半は、後半と比べて(来場者が)少ない。万博によって多少の違いはあるが、よく言われるのは前半期の1.5倍が後半期に入ると言われています。そういうことから言っても、今の数字は、愛知万博の時の数字などを見ても、それなりのレベルになっているので、これからゲートの運営の仕方なども、改善を図ってきていますし、これからも改善をしていくつもりですので、もっと高い数字になってくるのではないかと思っています」

 「で、2820万人というのは、事業を準備していく中で、そういう想定の数字ということで置いているのであるわけでありまして、それを目標になんとかということではないので、そういう数字としてお考えいただければと思っています。万博の目指すところとして、来場された方ができるだけ高い満足度で、万博に参加した方ができるだけ高い満足度で終えていくことも非常に重要な要素であるので、ただ単に数字だけを追求するというものでもないとも考えています」