小学生の列に車が突っ込み、7人が重軽傷を負った事件。容疑者を確保した男性が事件の一部始終を語りました。

 殺人未遂の疑いで送検された東京都東村山市の無職・矢沢勇希容疑者(28)。5月1日、大阪市西成区の千本小学校近くで下校中だった小学2年~小学3年の児童7人を車ではね重軽傷を負わせた疑いが持たれています。

 (矢沢容疑者を取り押さえた学校支援員)「とっさの体の動きというのは、32年間刑事やってきたからでしょうね」

 矢沢容疑者を取り押さえたのは、下校の見守りをしていた学校支援員の男性(70)。かつて大阪府警で事件を捜査する「刑事」でした。男性は児童らが車にひかれる直前、車が蛇行しながら進む様子を見ていました。

 (学校支援員)「(白い車が)ゆっくり来たと思った瞬間、私らのほうにぶつかってきた。『これは危ない』と思って保護者も散らばって逃げたら、その車は湾曲するように、左の方へ(行った)。子どもたちは全然気づいてないから大声で『危ない!ひかれる!右寄れ!』って」

 はねられた児童らが泣き叫び騒然とする現場。周囲の大人が児童らの救護をするなか、男性は無意識のうちに矢沢容疑者を取り押さえる行動を取っていたと話します。

 (学校支援員)「(矢沢容疑者が)後ろのポケットから財布を出してきた瞬間、これは私何も考えてなかった。相手の手を引っ張っていたんです。そのまま引きずり出して、そしたら(矢沢容疑者は)すとーんと出てきたんですよ。子どもたちが倒れこんでいる、泣き叫んでる、血だらけ。これはもう交通事故じゃない。最初から殺しにいっとる。『殺人未遂で(現行犯)逮捕する』とその場で言ったんですよ」

 市内の複数の学校で支援員を務めてきた男性。児童を狙った犯行に怒りをあらわにしました。

 (学校支援員)「小学校にあがったばかりの本当に小さい子。それを後ろから狙うんですよ。本当に腹立たしさしかない」

 警察の調べに対し、矢沢容疑者は「すべてが嫌になり小学生をひき殺そうとした」「苦労せずに生きている人が嫌だった」と話しているということで、警察は動機を詳しく調べています。