大阪市で小学生の列に車が突っ込み児童7人が重軽傷を負った事件で、逮捕された男が事件の直前に仕事を辞めたと供述していることが分かりました。

 東京都東村山市の無職・矢沢勇希容疑者(28)は4月30日午後、西成区の千本小学校近くで下校中だった小学2年と3年の児童7人を車ではねて重軽傷を負わせた殺人未遂の疑いで、3日午前8時半過ぎに大阪地検へ送検されました。

 その後の捜査関係者への取材で矢沢容疑者が警察に対し、「事件直前の4月下旬、放射線技師として勤務していた病院を自ら辞めた」と供述していることが新たに分かりました。

 ▼一報を聞いた容疑者の父親「まだ信じたくない」

 事件の一報を親族から聞いたという父親は、「場所が大阪だし、同姓同名ではないかと思っていたが、住所や年齢が一致していた」「まだ信じたくない」と話しました。

 父親によりますと、矢沢容疑者は大学を卒業後、放射線技師の仕事に就き、その際に東村山市に引っ越したということですが、時々家族は様子を見に行っていたということです。

 ▼「連絡せずに息子の家を訪れていた」

 (容疑者の父親)「2、3か月に1回、連絡せずに息子の家を訪れていた。連絡するとうざいといわれるから。会える時と会えない時があった。でも仕事をして一人で暮らしているのなら大丈夫だと思っていた。なので、報道で『無職』と見て驚いた。私たちの認識では仕事をしている」その息子は4月、突然実家に姿を見せたといいます。

 (容疑者の父親)「急に実家に帰ってきたことがあった。平日だったので『仕事は?』と聞いたら、『休み』と言っていた。忘れ物を取りに帰ってきたようだった。悩みなどは特に言っていなかった」

 自動車の免許はあるが、車は持っていないという矢沢容疑者。なぜ大阪に行ったのか…その理由は分からないという容疑者の父親は被害に遭った児童らを念頭にこう話しました。

 「なによりも被害に遭われた方に対して申し訳ないという気持ちが一番。向こうの方がなんで、どうして、と思っていると思う」

 また父親は「おととしの大晦日から元日にかけて自殺未遂をしたことがある」とも話していて、警察が動機などを慎重に調べています。