小学生の列に車が突っ込んでけがをさせた事件。逮捕された男の足取りが見えてきました。

 5月2日朝、大阪市西成区の千本小学校では、登校に多くの保護者が付き添いました。

 (保護者)「いつもは自分で行かせていますが、きのうのことがあったので付き添いで来ました。子どもも怖がっているので」

 事件が起きたのは1日午後1時半すぎ。下校中だった小学2年と3年の児童7人が車にはねられ、あごや腕を骨折するなどの重軽傷を負ったのです。

 (救助にあたった男性)「1人女の子、車の下に入って…。(タオルに付着しているのは)たぶん手を拭いた血ですわ。運転手の様子は、ぼーっとしていました。全然しゃべらず」

 車を運転していたのは、東京都東村山市の無職・矢沢勇希容疑者(28)。無差別に小学生を殺害しようとした殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されました。

 矢沢容疑者は「すべてが嫌になって、小学校の生徒をひき殺そうとした」と話しているということです。

 捜査関係者によりますと、現場にブレーキ痕はなく、減速せずに突っ込んだとみられています。事件の直前、現場付近の防犯カメラには白い車が小学生とすれ違う様子が映っていました。矢沢容疑者が運転していたとみられ、スマートフォンの画面のようなものも見えます。

 (記者リポート)「矢沢容疑者は事件の2日前となる4月29日、新大阪駅近くのレンタカー店で車を借りていたことがわかりました」

 ではなぜ、東京に住む矢沢容疑者が大阪で事件を起こしたのでしょうか。矢沢容疑者の父親がMBSの取材に応じました。

 (矢沢勇希容疑者の父親)「2年前から不精ひげを生やして、身なりも汚くなり大丈夫かな、悪いことしないかなと心配していたが、『大丈夫』と言うばかりだった」

 小学生のころからサッカーに打ち込み、大学でもフットサルサークルに入っていたという矢沢容疑者。卒業後は放射線技師の仕事に就き、5年前からひとり暮らしをしていたといいます。両親は定期的に息子の家を訪れていたといいますが…

 (矢沢勇希容疑者の父親)「報道で『無職』とみて驚いた。私たちの認識では仕事をしている。なにやってんだと。なんでそうする前に言ってくれねえんだって、それだけです。本当に申し訳ございませんでした」

 警察は動機や事件前の行動などを詳しく調べています。