止まらない、コメの価格高騰。スーパーでのコメの平均価格は16週連続で最高値を更新し5kgあたり4220円に(4月14日~20日)。

 備蓄米放出の効果がなぜ現れないのか?4月30日の農水省の発表によると、はじめの2回で放出した備蓄米約21万トンのうちスーパーなどの小売店や飲食店にたどりついたのは合せて4179トン。消費者にまで渡ったのは全体のたった2%だったことがわかりました。

 5月1日朝、大阪市内のスーパー「フレッシュマーケットアオイ 昭和町店」を訪ねてみると…

 (フレッシュマーケットアオイ・内田寿仁社長)「先週に備蓄米が入荷しました。ただ入荷した数が本当に少なくて、1日で売り切れてしまった。備蓄米が放出されることで、お米の相場そのものも下がっていくと思っていたんですが、(備蓄米は)全然入ってきませんし、1回限りで終わってしまった。また5月に入荷予定と聞いているが具体的な日程や数は未定」

 なかなか備蓄米も入荷せず今なおこのスーパーではコメの品薄状態が続いているといいます。さらにコメの価格についても…

(フレッシュマーケットアオイ・内田寿仁社長)「5月の末ぐらいに問屋からコメ価格を上げるという連絡をもらっている。私たちも売値を上げざるを得ない状況になると思います。いま店頭に並んでいるお米で一番高いのが5kg5980円(税別)。まだまだ上がるようでしたら5kgで6000円台(税別)になることもありえる」

 こうした状況の中、いま全国で相次いでいるのが“コメ泥棒”による被害です。

 茨城県筑西市では4月だけで6件の被害が確認されました。被害にあった農家の男性は。

 (コメを盗まれた農家)「あそこの冷蔵庫です。これが開錠になっている(Q壊された?)そうです」

 男性はこの冷蔵庫で家族が食べるためのコメを保管していましたが中身がカラに…。120kgの玄米が盗まれたといいます。

 (コメを盗まれた農家)「(盗まれたのは)高いからでしょうね。異常に今は。転売目的だと思うんですけど」

 中には420kgの玄米が盗まれる被害もありコメの価格が高騰する中、今後同様の犯行が続く恐れも。

 農水省の元官僚・山下一仁さんは今後のコメの価格についてこう話します。

 (キヤノングローバル戦略研究所・山下一仁さん)「根本的なところにメスを入れない限り、今回のようなことはまた起こります。今年秋以降、本来ならば米価は下がるはずのところが下がらない。逆に(米価が)上がる可能性がある」

 長期化する“コメ問題”。この先はどうなるのでしょうか?