コメの価格高騰など物価高が進む中、夏の参議院選挙を前に、与野党の双方から「消費税減税」の声が上がっています。
4月24日、自民党の森山裕幹事長と面会した松山政司参院幹事長。物価高やトランプ関税への対応策をめぐり、自民党の参議院議員に行っていたアンケート結果などを手渡しました。
(自民党 松山政司参院幹事長)「一つは消費税率の引き下げを求める意見。これは8割と大変大きな数でありました。これからの政策・公約作りに生かしていただければありがたい」
8割の議員が求めたという消費税の減税。森山幹事長は「しっかり読んで受け止めたい」と応じたということです。
一方、立憲民主党の野田佳彦代表は25日に会見を開き、来る参議院選挙の公約として、1年間に限り食料品の消費税をゼロにした後、給付付き税額控除に移行することを掲げると明らかにしました。
(立憲民主党 野田佳彦代表)「将来世代を慮る政治ということで我々は一体改革を進めてきたが、今を生きる人たちの暮らしも当然大事であります」
与野党で上がる消費税減税への声。そもそも日本で初めて消費税が導入されたのは今から36年前。前年、国会では時の竹下登総理の旗振りのもと、40年ぶりとなる税制大改革が掲げられ、消費税の導入が議論されていました。
野党が退席する中、強行採決が行われ、1988年12月に消費税の導入が可決・成立。すべての商品・サービスに3%の税金が課されることになり、国民に大きな衝撃を与えました。
施行日は3か月後、一挙に注目を浴びたのが1円玉です。消費税の導入で必要度が増したのです。
大丸神戸店では従業員からも1円玉を集めたといいます。
(大丸神戸店・経理課長※1989年当時)「最高6万円、(1円玉)6万枚をお持ちになった方もいました」
消費税に対応したレジスターの交換も進められました。しかし、実際にやってみると混乱も…。消費税開始の前日には買いだめをする客が殺到しました。
(客)「あすからちょっと上がるかなと思って。わりと高いもんですから。その前にと思って買いました。(Q全部持てますか?)さあどうでしょう」
そして1989年4月1日午前0時。日付が変わると、コンビニのレジではスタッフが「消費税がかかりますけどよろしいですか?」と客に問いかける様子も。
(客)「(Qあなたが消費税第1号のお客さんですが?)そうですか、あんまりまだ実感がないです」
当時、街の人からは、消費税に対して「ややこしいな、頭こんがらがってまうわ」「消費税にむかつく!」などの声が聞かれていました。