4月24日午後、アドベンチャーワールド(和歌山・白浜町)が発表した驚きのニュース。現在飼育しているジャイアントパンダ4頭すべてを、6月末ごろに中国に返すことが決まったというのです。この発表を受けて25日、アドベンチャーワールドにはパンダたちの姿を見ようと全国から多くの人が訪れました。
(埼玉から)「パンダが帰っちゃうってことを知って、急きょ、きのうの夜にチケットを取って、飛行機の航空券を取ってきました。もうほんと、ショックで、仕事があまり手につかないというか」
(三重から)「悲しいとか寂しいというよりも、なんかちょっとぼう然というか。私がパンダ沼にはまったのは楓ちゃん。今までは月1回しか来れなかったんですけど、毎週、頑張ってこれたらなと思っています」
中にはこんな人も…
(来園者)「(Qよく来られるんですか?)だいたい月1ぐらい」
(来園者)「良ちゃんが生まれて、赤ちゃんのときに見に来たのが始まりで、アドベンチャーワールドに通うように」
アドベンチャーワールドで生まれ、その後、10頭もの子どもを育てたお母さんパンダ「良浜(らうひん)」。24年間その姿を見続けてきたといいます。
(来園者)「(Q良浜にも会えなくなるが?)そうですね、もう悲しいだけですね。(Qなにか伝えたいことは?)ありがとうだけです。中国にいっても元気ですごしてくれたら。それが一番だと思います」
アドベンチャーワールドでパンダの飼育が始まったのは1994年。当初、繁殖はうまくいきませんでしたが、2000年に梅梅(めいめい)が来日して以降、繁殖に成功。“日本で一番多くのパンダを飼育する園”となったアドベンチャーワールドには、パンダを一目見ようと多くの観光客が訪れるようになりました。
そして、アドベンチャーワールドがある白浜町は、いつしか“パンダのまち”として知られるように…。創業75年白浜町の温泉旅館は、ニュースが発表されて一晩で通常の約3倍の予約が入ったといいます。
(紀州・白浜温泉むさし 女将・沼田弘美さん)「通知としては300件。ひと家族4人とすると単純計算でも1200人の予約が入っています」
思わぬ需要に喜ぶ半面、心配も…
(女将・沼田弘美さん)「パンダがいるということで観光のお客様にもお越しいただいていましたし、アメニティの袋にもパンダの絵柄をいれるなど本当にパンダのグッズも非常に多いなかで、(今後)パンダだけでなくてというところも私たちは頑張らないといけないのかなと思っています」
そして“パンダのまち”の町長は「寝耳に水でした」とコメント。24日午後のアドベンチャーワールドの発表で初めて返還について知ったといいます。
(白浜町 大江康弘町長)「いままで考えてなかったんですけども、パンダ頼みの白浜町の観光でした。だけどこういう状態になったときに観光地としてのあり方の転換点、パンダ頼みだったというところの私は転換点だなと。今回のことはそういうふうに受け止めています」