野球とB’zをこよなく愛するMBSアナウンサー金山泉が、アマチュア野球界注目の選手を直接取材し、その声を伝えるシリーズ記事『注目選手リスト』。
2025年最初の取材は、昨秋の近畿大会で優勝し、今春の選抜高校野球大会出場が確実視されている兵庫県の東洋大姫路。年も明けた1月上旬、姫路市内にある同校グラウンドを訪れると、エースの阪下漣投手(2年)は黙々とトレーニングに励んでいた。
◆プロ注目 世代屈指の右腕
182センチ87キロのがっちりとした体格から投げられる最速147キロのストレートを武器に、世代屈指の右腕としてプロからも注目されている阪下。近畿大会では計27.2回を投げ、四球はわずかに1つと制球力も抜群だ。
阪下はさらにレベルアップするため、この冬は下半身強化に重点的に取り組んでいる。
「去年12月に三菱重工Westさんの練習に参加したんです。その時に投手で大事な筋肉はハムストリングス(太もも裏)だと言われて。それまでは前ももを鍛えていたんですが、この冬はハムストリングスを強化して、150キロの壁にチャレンジしていきたい。」と話した。
◆グラブに『四つ葉のクローバー』
そんな阪下のグラブに目をやると、四つ葉のクローバーの刺繍が施されていた。「幸せ=勝利を呼び込む投球がしたい」とこの刺繍を入れたそうだ。
出身は西宮市。関西を代表する複数の強豪校から誘いを受けたが、「岡田龍生監督が履正社から東洋大姫路に就任したのが一番大きかった。岡田監督のもと、高いレベルで野球をやってみたかった。」と、自宅から80キロ以上離れた東洋大姫路に進学し、親元を離れ寮生活することを決めた。
そんな阪下には果たさなければならない“ある人物”との約束がある。
「僕が中3の時に亡くなってしまったおばあちゃんと最後に交わした約束が『甲子園で活躍する』ということ。天国で見ているおばあちゃんに、甲子園で自分の一番いい姿を見せたい」。
センバツでの目標は「優勝」。甲子園で勝利を呼び込む投球を見せ、天国の祖母との約束を果たす。
◆野球サイコー!取材後記
出場校の発表は1月24日。東洋大姫路3年ぶりのセンバツ出場へ「願いが叶うよ 今夜こそは」
※「願いが叶うよ 今夜こそは」…B’z「君の中で踊りたい」の歌詞
◆阪下漣(さかした・れん)
2007年7月5日生 兵庫県西宮市出身 182㎝87㎏ 右投右打
浜脇中(西宮ボーイズ)~東洋大姫路
東洋大姫路では1年秋からエースをつとめ、2年夏は県大会ベスト4。2年秋は県大会優勝、近畿大会優勝、明治神宮大会ベスト4。
好きなプロ野球選手は髙橋光成(西武)。好きな食べ物はきゅうり(祖母が作ってくれた塩漬け)。
◆取材・文 金山泉(かなやまいずみ)
MBSアナウンサー。1982年6月5日生、新潟県上越市出身。野球とB’zをこよなく愛する。投手として首都大学リーグ2部で通算11勝(8敗)をマークした。